夏目漱石 小説家(1867年〜1916年)
夏目漱石
漱石が書いた手紙
熊本で住んでいた家
結婚生活はともかくとして、研究の面では評価された漱石は、1900年に文部省から英語研究のためにイギリス留学を命じられます。せっかくイギリスに渡った漱石ですが、現地の物価は高く、国からの生活費では満足な生活は難しく、そのあげく成果をあげなければいけないというプレッシャーから漱石は再び神経衰弱になってしまいます。漱石は勉強どころではなくなり、日本に帰国するよりほかありませんでした。
1903年に日本へ帰国後、漱石は大学で講師の仕事をしますが仕事は上手くいかず、そのせいで相変わらず神経衰弱もよくなりませんでした。そんな折り、親友に気晴らしに小説を書いたらどうかと勧められ、出来上がったのが『吾輩は猫である』という題名の小説です。1905年にこの小説が発表されて人気を得ると、漱石は『坊ちゃん』『草枕』と次々に小説を発表し、作家を職業にするようになります。「瓢箪から駒」という諺はこんなことを言うのでしょうか。
千円札に描かれた漱石(1984年〜2007年)