日本語多読道場 yomujp
ところで、「幽(ゆう)霊(れい)」「妖(よう)怪(かい)」「お化(ば)け」は同じものなのでしょうか。すべてがこわいのでしょうか。「幽(ゆう)霊(れい)」は、世界中で共通する部分が多いようです。だいたい死後(し ご)の人間の霊(れい)が現れたものです。生きていた時の姿(すがた)で現れ、肉(にく)体(たい)がなくなった後も「生き続けたい」という願いから生まれています。「幽(ゆう)霊(れい)」と同じような意味の言葉は、世界中にあります。例えば、英語の場合は「ゴースト(ghost)」が「幽(ゆう)霊(れい)」に当たります。日本の「幽(ゆう)霊(れい)」の場合は、この世に未(み)練(れん)や恨(うら)みがあるため、因(いん)縁(ねん)のある人の前に現れるので、こわい存在と言えるでしょう。一方、現在「妖(よう)怪(かい)」と言われているものは、江(え)戸(ど)時(じ)代(だい)(1603-1868)には「化(ば)け物(もの)」とか、「お化(ば)け」と言われていましたが、「妖(よう)怪(かい)」と同じような意味の言葉を他の国の言葉で探すのは、難しいようです。
公開:2022.6.14
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『Reading Road—多様な日本を読む』
公益社団法人 国際日本語普及協会(AJALT)[著]