富士山(ふじさん)のまわりには富士五湖(ふじごこ)と言われる湖(みずうみ)があり、海も近くにあります。水辺(みずべ)と富士山(ふじさん)はよく似合(にあ)います。ですから、昔(むかし)からそのような景色(けしき)の絵(え)が描(えが)かれています。今から200年くらい前に葛飾北斎(かつしかほくさい)という有名な画家(がか)がいました。彼(かれ)の富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)という浮世絵(うきよえ)の画集(がしゅう)があります。その中の神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)という作品(さくひん)はとても有名です。この作品(さくひん)は今の横浜(よこはま)あたりの海で描(えが)かれています。大きな波(なみ)に向(む)かう３そうの小舟(こぶね)と、富士山(ふじさん)が描(えが)かれている版画(はんが)です。舟(ふね)よりもずっと大きな波(なみ)がせまり、舟(ふね)をこぐ人たちは身(み)をかがめています。小舟(こぶね)をおそう波(なみ)の力強(ちからづよ)さと人間(にんげん)の弱(よわ)さが対照的(たいしょうてき)に描(えが)かれています。とても緊張(きんちょう)する場面(ばめん)です。しかし、波(なみ)の間に見える白い雪(ゆき)をかぶった富士山(ふじさん)がその緊張(きんちょう)を和(やわ)らげてくれます。このような素(す)晴(ば)らしい絵(え)をよく描(えが)いたものだと思います。葛飾北斎(かつしかほくさい)はゴッホ（Vincent van Gogh）などの偉大(いだい)な画家(がか)にも大きな影響(えいきょう)を与(あた)えました。