日本の行事(ぎょうじ) 「端午(たんご)節句(せっく)

(かぜ)(かお)る5月」という言葉(ことば)があります。「(かぜ)(かお)る」とは、「風が(みどり)()(かお)りを(はこ)んでさわやかに()く」という意味です。5月ごろの風は本当に気持ちがいいですね。そんな季節(きせつ)行事(ぎょうじ)といえば、5月5日の「端午(たんご)節句(せっく)」でしょう。5月5日は「こどもの日」という祝日(しゅくじつ)ですが、「端午(たんご)節句(せっく)」といって、男の子の誕生(たんじょう)成長(せいちょう)(ねが)う日でもあります。「私の国にも()ている日がありますよ」という人もいるかもしれませんね。さあ、「端午(たんご)節句(せっく)」について楽しく読んでいきましょう。

まずは、「端午(たんご)節句(せっく)」の歴史(れきし)です。いつごろから(おこな)われていると思いますか。(じつ)は、中国(ちゅうごく)から(つた)わったことが(もと)になり、奈良時代(ならじだい)(710年~794年)から(つづ)いていると言われています。ずいぶん前からあるのですね。(むかし)中国(ちゅうごく)では、病気(びょうき)などの(わる)いものを()(はら)うため、(あつ)くなる前の5月5日に、「菖蒲(しょうぶ)」という植物(しょくぶつ)屋根(やね)から下げたり、お風呂(ふろ)に入れたりしていたそうです。それが日本に(つた)わり、初めは貴族(きぞく)の間で(おこな)われていましたが、鎌倉時代(かまくらじだい)(1185年~1333年)に、武士(ぶし)時代(じだい)になると、「菖蒲(しょうぶ)」の音が武道(ぶどう)を大切にするという意味の「尚武(しょうぶ)」という言葉(ことば)と同じであることから、武士(ぶし)の間で、強くたくましい男の子のお(いわ)いの日へと変化(へんか)していきました。そして江戸時代(えどじだい)(1603年~1868年)になると、武士(ぶし)だけでなく、その(ほか)の多くの人々(ひとびと)の間にも広まっていき、今につながっているとされています。

菖蒲(しょうぶ)

では、端午(たんご)節句(せっく)にはどんなことをするのでしょう。みなさんは「(こい)のぼり」を見たことがありますか。端午(たんご)節句(せっく)には、家の(にわ)やベランダなどに(こい)のぼりを(かざ)ります。家の中に(かざ)るタイプもあります。小さいものから大きいものまでさまざまな(こい)のぼりがありますが、風が()いて、大きい(こい)のぼりが青い空で()れている様子(ようす)は、本物(ほんもの)(こい)が広い海を泳いでいるようで見事(みごと)です。そうそう、どうして「(こい)」のぼりなのか、と思った人もいるかもしれませんね。これも中国(ちゅうごく)の古い話ですが、とても()くて流れのはやい(たき)があり、(こい)はそこを(のぼ)って(りゅう)になる、と言われているそうです。そこから、男の子が(こい)のように、困難(こんなん)なことにも()けずに立派(りっぱ)成長(せいちょう)しますように、という(ねが)いを()めて、(こい)のぼりを(かざ)るようになったということです。

(こい)のぼり

それから、(こい)のぼりだけではなく、「五月人形(ごがつにんぎょう)」という人形(にんぎょう)(かざ)ります。五月人形(ごがつにんぎょう)には二つの意味があるといいます。この人形(にんぎょう)は何の姿(すがた)に見えますか。そう、武士(ぶし)です。まず一つ目の意味は、武士(ぶし)のように、強く、勇気(ゆうき)のある人間(にんげん)成長(せいちょう)しますように、ということです。そして二つ目は、病気(びょうき)災難(さいなん)などの悪いものから子どもを(まも)るという意味です。人形(にんぎょう)がかぶっている帽子(ぼうし)のようなものは(かぶと)()()けているかたい服のようなものは(よろい)といい、これらで()(まも)るのです。子どもが健康(けんこう)成長(せいちょう)することを(いの)る、大人たちの愛情(あいじょう)(かん)じられますね。

五月人形 ( ごがつにんぎょう )

(かざ)りが終わったら、今度(こんど)食卓(しょくたく)準備(じゅんび)をしましょう。端午(たんご)節句(せっく)に食べるものといえば、「柏餅(かしわもち)」や「ちまき」。一般的(いっぱんてき)関東(かんとう)では柏餅(かしわもち)関西(かんさい)ではちまきを食べることが多いようです。柏餅(かしわもち)というのは、あんの入ったもちを(かしわ)()()いたものです。(かしわ)の木は、新しい()が出るまで古い()()ちないことから、親から子、子から(まご)へと、家族(かぞく)(つづ)いていく、縁起(えんぎ)のいい木とされています。ちまきというのは、だんごを(ささ)()(ぼう)のような形に()いたものです。端午(たんご)節句(せっく)にちまきを食べるのは、中国(ちゅうごく)の古い話が(もと)になっていて、ちまきには災難(さいなん)病気(びょうき)などの悪いものを()(はら)う力があると考えられており、それが(つた)わったとされています。

柏餅 ( かしわもち

ちまき

その(ほか)には、特に決まった料理はありません。縁起(えんぎ)のいいものや家族(かぞく)みんなが(よろこ)びそうなものでお(いわ)いするのがいいでしょう。(たと)えば、「(たい)」はお(いわ)いの時には刺身(さしみ)塩焼(しおや)きなどでよく食卓(しょくたく)(のぼ)ります。それは、「おめでたい」という言葉の中に、「(たい)」という音が入っているからです。それから、まっすぐ()びる、という意味で「(たけのこ)」もよく使われます。煮物(にもの)(たけのこ)(はん)などが人気があるようです。また、「(こい)のぼりケーキ」なども子どもは(よろこ)びそうですね。みなさんだったら、どんな料理を用意(ようい)しますか。
最後に、4月下旬(げじゅん)から5月上旬(じょうじゅん)にかけて、(こい)のぼり(まつ)りが全国(ぜんこく)各地(かくち)で行われます。その中のいくつかをご紹介(しょうかい)しましょう。機会(きかい)があったら、出かけてみませんか。

青い(こい)のぼりプロジェクト宮城県(みやぎけん)東松島市(ひがしまつしまし)):東日本(ひがしにほん)大震災だいしんさい)復興(ふっこう)支援(しえん)のプロジェクトです。

加須(かぞ)市民(しみん)平和(へいわ)(さい)埼玉県(さいたまけん)加須市(かぞし)):長さ1,000メートルの大きな(こい)のぼりが空を泳ぎます。

◆こいのぼりフェスタ1000大阪府(おおさかふ)高槻市(たかつきし)):1,000(びき)もの(こい)のぼりが見られます。

()淀川(よどがわ)紙のこいのぼりまつり高知県(こうちけん)いの(ちょう)):不織(ふしょく)()(こい)のぼりが空ではなく、川の中を泳ぎます。

(つえ)(たて)温泉(おんせん)(こい)のぼり祭り熊本県(くまもとけん)小国町(おぐにまち)):大規模(だいきぼ)(こい)のぼり祭りの始まりとされています。(だい)1(かい)は1980年です。

文:新階由紀子
写真:フォトAC
(2022.4.26)

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