日本語多読道場 yomujp
わあ、華(はな)やかで豪華(ごうか)ですね。これは、おせち料理といって、新年を祝(いわ)ってお正月に食べる料理です。海のものや山のもの、いろいろな食材(しょくざい)が入った、一年に一度のぜいたくなごちそうです。おせち料理に入っている食材(しょくざい)には、それぞれに意味があります。
食べておいしい、知って楽しい、おせち料理の世界を探(さぐ)ってみましょう。
この周(まわ)りの黒いものは何でしょう。「おにぎりに使うのりみたいだけど、ちょっと厚(あつ)いみたい…」という声(こえ)が聞こえてきそうです。これは昆布(こんぶ)、そしてこの料理は魚などを昆布(こんぶ)で巻(ま)いて、しょうゆやみりんで味をつけて煮(に)た「昆布巻(こぶまき)」というものです。昆布(こんぶ)は「こぶ」と読むと、「喜(よろこ)ぶ」を連想(れんそう)することから、縁起(えんぎ)がいいものとされています。
「数(かず)の子(こ)」の親である「にしん」を巻(ま)いた昆布巻(こぶまき)もありますが、にしんに昆布(こんぶ)、大変(たいへん)おめでたい、お正月にぴったりの料理と言えますね。
これ以外にも、たくさんの食材(しょくざい)があります。例(たと)えば、煮物(にもの)に使う蓮根(れんこん)は、穴(あな)が開いていることから、先が見通せる、という意味があり、また、色鮮(いろあざ)やかな海老(えび)は、腰(こし)が曲(ま)がるまで元気で長生きできるようにと、長寿(ちょうじゅ)の願いを込めておせち料理に入れられます。おせち料理の中で、気になる食材(しょくざい)があったら、その由来(ゆらい)を調べてみると、新たな発見があるかもしれません。
次(つぎ)のお正月は楽しみが増(ふ)えそうですね。
文:新階由紀子写真:フォトAC(2021.12.19)