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魚へんの漢字

たくさん「魚」を使った漢字が(なら)んでいますね。この湯呑(ゆの)み(お茶を飲むコップ)、どこかで見たことがありませんか。これは、よくお寿司(すし)()さんで使われています。これらの漢字は、全部(ぜんぶ)魚の名前です。魚の漢字には、魚へんと魚の特徴(とくちょう)を表す漢字が()()わされているものが多いです。一緒(いっしょ)に見ていきましょう。

①魚へんに「平」と書いて「(ひらめ)」と読みます。(ひらめ)は、海の(そこ)(たい)らになって、両目(りょうめ)(ひだり)(がわ)()けて、生活(せいかつ)しています。

(ひらめ)()た魚で、「(かれい)」という魚がいます。魚へんに「()」に()た字を書くのですが、()のように(うす)いことから、この漢字が使われたそうです。(かれい)は、両目(りょうめ)(みぎ)(がわ)についています。

③その()(ゆき)のように白いことから、魚へんに「(ゆき)」と書いて「(たら)」という魚がいます。(たら)は、大きい魚で(ふか)い海にすんでいます。

④魚へんに「弱」と書いて「(いわし)」と読みます。(いわし)(りく)に上げると、すぐに(よわ)って(くさ)りやすいので、(よわ)い魚という意味でこの漢字が使われたそうです。

⑤「(かつお)」は魚へんに「堅」と書きますが、(かつお)(むかし)から、()して(かた)くして保存食(ほぞんしょく)として食べられたので、この漢字が使われたと言われています。()した(かつお)(うす)(けず)った鰹節(かつおぶし)は、出汁(だし)をとるのに使います。

⑥魚へんに「圭」と書いて「(さけ)」と読みます。圭という漢字には(とが)ったもの、という意味があるそうです。(さけ)の口は(とが)っていますね。

寿司(すし)()でよく食べられる「(たい)」は、魚へんに「周」と書きます。(たい)は日本周辺(しゅうへん)で一年中()れることからこの漢字が使われているようです。(たい)は、(むかし)からよく食べられている魚で、(あか)(かわ)が「(お)めでたい」として、お(いわ)いの料理によく使われます。

⑧魚へんに「京」と書いて「(くじら)」と読みます。この京という漢字には、大きい、高い(おか)、という意味があるそうです。(くじら)は海にいる大きい(おか)のようなもの、という意味でこの漢字が使われました。

(くじら)と同じく大きい「(しゃち)」は、魚へんに「(とら)」と書きます。(とら)陸上(りくじょう)の生き物ですが、(しゃち)(とら)のように海で(あば)れる生き物、という意味でこの漢字が使われたようです。

最後(さいご)に、季節(きせつ)の漢字を使った魚もあります。魚へんに「春」と書くと「(さわら)」、「秋」と書くと「(かじか)」、冬と書くと「(このしろ)」です。
(さわら)
(かじか)
(このしろ)

意味を考えて、魚へんの漢字を見るとおもしろいですね。

文:Naoko Ikegami

画像:イラストAC

(2025.3.28)

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