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国の名前を漢字で書くとどうなる?

「インド」「アメリカ」のように外国語から来ている国の名前は普通(ふつう)カタカナで書かれます。しかし、インドは「印度」、アメリカは「米国」などと漢字で書かれる場合(ばあい)もあります。最初(さいしょ)のインドですが、「インド」という音を漢字にした場合(ばあい)(イン)()」となるので、この漢字で書くことができます。(つぎ)のアメリカですが、「アメリカ」という音を漢字にした場合(ばあい)、「亜米利加(アメリカ)」となります。「亜」の漢字は「亜細亜(アジア)」と書く場合(ばあい)に使われるため、そして、Americaは「メ」の部分(ぶぶん)で発音が強くなるため、2文字目は「米」が使われるそうです。

インド(印度)

アメリカ(亜米利加)・米国

ここでは、国の名前を漢字で書くとどうなるかをいっしょに考えていきましょう。全部(ぜんぶ)で10こです。

1つ目は、「仏蘭西」です。どこの国だと思いますか。

答えは、フランスです。「()(ラン)西()」と音読みを使って漢字にしています。このように、漢字の意味は考えないで、その漢字の読み方を使って書くことを「()て字」と言います。フランスは「仏国」と書くこともあります。

フランス(仏蘭西)・仏国

2つ目は、「泰」です。どこの国でしょうか。

答えは、タイです。泰は音読みで「タイ」と読みます。これも()て字ですね。

タイ(泰)

3つ目は、「加奈陀」です。どこの国でしょうか。
答えは、カナダです。それぞれの音読みを()わせると「加奈陀(カナダ)」になります。

カナダ(加奈陀)

4つ目は、「氷島」です。これは、どこの国でしょうか。

答えは、アイスランドです。アイス(ice)を漢字にすると「(こおり)」で、ランド(land)を漢字にすると「(しま)」です。だから、「氷島」なんですね。

アイスランド(氷島)

5つ目は、「露西亜」です。これは、どこの国でしょうか。

答えは、ロシアです。音読みだと「西」だからです。

ロシア(露西亜)

6つ目は、「洪牙利」です。どこの国でしょうか。

答えは、ハンガリーです。漢字の音読みを書くと「ハン」となります。

ハンガリー(洪牙利)

7つ目は、「独逸」です。どこの国でしょうか。

答えは、ドイツです。漢字の音読みを書くと「()(イツ)」となります。

ドイツ(独逸)

8つ目は、「智利」です。どこの国でしょうか。

答えは、チリです。「()()」でわかりやすいですね。

チリ(智利)

9つ目は、「伊太利亜」です。どこの国でしょうか。

答えは、イタリアです。漢字の読み方は「伊太利亜(イタリア)」です。

イタリア(伊太利亜)

最後(さいご)の10こ目は、「埃及」です。これは、どこの国でしょうか。

答えは、エジプトです。「埃」は「ほこり」と読みます。小さいごみのことです。「埃」は、音読みでは「アイ」となります。「及」の音読みは「キュウ」です。2つ()わせると「アイキュウ」になりますね。(じつ)は「エジプト」という国の名前は、ギリシャ神話(しんわ)に出てくるエジプトの(おう)()()()()プトス」から来ています。だから「埃及」は「エジプト」を(あらわ)すのです。

エジプト(埃及)

みなさんはいくつわかりましたか。ほかの国も漢字で書くとどうなるか、調(しら)べてみても面白(おもしろ)いと思いますよ。でも、(こめ)より小麦(こむぎ)を多く食べるアメリカが「米国」、仏教(ぶっきょう)よりもキリスト教を(しん)じる人が多いフランスが「仏国」と書かれるのは、ちょっと不思議(ふしぎ)面白(おもしろ)いですね。

文:高嶋幸太

写真:写真AC

国旗:いらすとや

(2023.4.14)

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