日本語多読道場 yomujp
歌舞伎(かぶき)と食事
江戸時代(えどじだい)、歌舞伎(かぶき)は朝から夜まで行われていました。人々は1日かけて、歌舞伎(かぶき)を楽しんだと言われています。
1日を過(す)ごすわけですから、鑑賞中(かんしょうちゅう)に飲んだり食べたり、たばこを吸(す)ったりすることもできました。現在(げんざい)の劇場(げきじょう)では、基本的(きほんてき)に禁止(きんし)されているところが多いですね。けれども、江戸時代(えどじだい)の歌舞伎(かぶき)は違(ちが)います。飲食(いんしょく)サービスも発達(はったつ)していました。人々は食事を楽しみながら、歌舞伎(かぶき)を鑑賞(かんしょう)することができました。
みなさんは「幕(まく)の内(うち)弁当(べんとう)」を知っていますか。
歌舞伎(かぶき)では一つの舞台(ぶたい)(ステージ)のことを幕(まく)と言います。一つの幕(まく)が終わり、その次の幕(まく)の間に、食事をするために作られたお弁当(べんとう)が「幕(まく)の内(うち)弁当(べんとう)」でした。今も、コンビニやスーパーで売っているので、みなさんも見たことがあるかもしれません。
いろいろな種類(しゅるい)があります。ご飯(はん)とおかずがきれいに並(なら)べられていて、とてもおいしそうですね。現代(げんだい)にもお弁当(べんとう)の名前「幕(まく)の内(うち)弁当(べんとう)」が生きています。
また、「助六(すけろく)」と呼(よ)ばれるお寿司(すし)も歌舞伎(かぶき)から生まれたものです。有名なお芝居(しばい)の登場人物(とうじょうじんぶつ)の名前が「助六(すけろく)」でした。
真(ま)ん中(なか)が「助六(すけろく)」
「助六(すけろく)」は人々(ひとびと)にとても人気がありました。その人物(じんぶつ)の魅力(みりょく)がお寿司(すし)の形(かたち)や色(いろ)に例(たと)えられているそうです。
人をお寿司(すし)に例(たと)えると…!?興味(きょうみ)のある方(かた)は、ぜひ調べてみてください。お寿司(すし)はお箸(はし)を使わなくても、手で食べられますから、とても食べやすいですね。鑑賞(かんしょう)の時だけでなく、お花見などの時にも人気(にんき)があります。「助六(すけろく)」も「幕(まく)の内(うち)弁当(べんとう)」も歌舞伎(かぶき)から生まれて、今に残(のこ)っているのです。
今回(こんかい)は歌舞伎(かぶき)から生まれたお弁当(べんとう)やお寿司(すし)をご紹介(しょうかい)しました。まだ食べたことがない方(かた)は、ぜひ一度、食べてみてくださいね。
次回(じかい)も現代(げんだい)につながる歌舞伎(かぶき)の魅力(みりょく)について、ご紹介(しょうかい)したいと思います。
文:岩瀬ありさ
画像:写真AC/パブリックドメイン
(2023.3.24)