日本人が好きな漢字4文字の熟語
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日本人は古くから使われてきた四字熟語が大好きで、文章の中でよく使います。また、「座右の銘」といって、いつも自分の座右(自分のそば)に書いておいて、ふだんの生活で忘れてはいけない大切なことばとしています。
そこで、日本人が好きな四字熟語をいくつか紹介しましょう。少し難しい漢字も使われていますが、そのような語があるということを知っておいてください。
「一期一会」は「いちごいちえ」と読みます。「期」を「ご」、「会」を「え」と読むのはむずかしいかもしれません。おそらく日本人に好きな四字熟語は何かと質問したら、この「一期一会」だと答える人は、とても多いと思います。もともとは、茶道で使われた語です。客をまねいて、決まった方法でお茶を飲ませるお茶の会は、毎回、一生に一度だという思いをこめておこなうべきだという意味です。これから、一生に一度しかない出会いという意味や、一生に一度だけであるという意味、また人との出会いを大切にするという意味になりました。
茶会は一期一会
「切磋琢磨」も多くの人が好きな四字熟語です。「せっさたくま」と読みます。「切」はきざむ、「磋」はとぐ、「琢」は打つ、「磨」はみがくという意味の漢字です。しっかりと勉強をして、すぐれた人間になるためにたいへんな努力をするという意味です。また、友人どうしで応援しあい、競争しておたがいにりっぱな人間になるという意味でも使われます。
切磋琢磨してがんばる
「不言実行」もよく使われます。「ふげんじっこう」と読みます。「不言」は口に出して言わないという意味です。「実行」は何かをおこなうという意味です。「不言実行」は、何も言わずだまって、やらなければいけないことをやるという意味です。
「初志貫徹」は、「しょしかんてつ」と読みます。「初志」は最初にこうしようと思った目的や目標という意味です。「貫徹」は最初から最後までずっと続けるという意味です。これから、「初志貫徹」は最初にこうしようと心に決めた思いを、最後まで変わることなく続けるという意味になります。
「粉骨砕身」は、「ふんこつさいしん」と読みます。「粉骨」は骨を粉にするということで、自分の骨を細かな粉にするほど努力するという意味です。「砕身」は身をくだくという意味で、やはりそのようになるほど努力するということです。この2語がくっついた「粉骨砕身」で、力のかぎりいっしょうけんめいはたらくという意味になります。
「不撓不屈」は、「ふとうふくつ」と読みます。「不撓」も「不屈」もどんなつらいことがあっても負けないという意味です。「不撓不屈」は、同じ意味の語を2つならべて、どんなにつらいことがあってもぜったいに負けないという意味を強調した語です。
日本人が好きな漢字4字の熟語は、これだけでなく、ほかにもたくさんあります。
文:神永曉
画像:写真AC
(2023.9.8)