日本語多読道場 yomujp
日本人はお花見が大好(だいす)きです。毎年、桜(さくら)の花が咲(さ)く日を楽しみにしています。けれども、私たちが見るのは桜(さくら)に限(かぎ)りません。桜(さくら)が咲(さ)く前に、もう一つ、とても楽しみにしていることがあります。それは梅(うめ)の花を見ることです。
私の家の庭(にわ)にも、梅(うめ)が植(う)えてあります。毎年、きれいな花が咲(さ)きます。桜(さくら)は植(う)えていません。それには理由(りゆう)があります。梅(うめ)は桜(さくら)より手入れが簡単(かんたん)です。桜(さくら)の場合(ばあい)、毛虫(けむし)という面倒(めんどう)な虫もつきますし、葉(は)もたくさん散(ち)ります。薬(くすり)をまいたり、葉(は)を掃除(そうじ)したりするのが、大変(たいへん)です。それで、我(わ)が家では桜(さくら)ではなく、梅(うめ)を植(う)えたのです。
日本には梅(うめ)で有名な観光地(かんこうち)があります。とくに、有名なところが三つあります。茨城県(いばらきけん)水戸市(みとし)にある「偕楽園(かいらくえん)」、石川県(いしかわけん)金沢市(かなざわし)にある「兼六園(けんろくえん)」、岡山県(おかやまけん)岡山市(おかやまし)にある「岡山後楽園(おかやまこうらくえん)」は、梅(うめ)を楽しむことのできる三名園(さんめいえん)とされています。
私は神戸(こうべ)の岡本(おかもと)という町に住んでいます。ここには「岡本公園(おかもとこうえん)」という梅(うめ)で有名な公園(こうえん)があります。昔(むかし)から梅(うめ)の林(はやし)があることで知られていました。その歴史(れきし)を大事にするため、1982年に公園(こうえん)として整備(せいび)されました。少し高い場所(ばしょ)にあるので、町並(まちな)みを背景(はいけい)に花を眺(なが)めることができるのが特長です。気分がすっきりします。神戸(こうべ)は猪(いのしし)という大きな野生(やせい)動物がいる場所(ばしょ)です。町でも時々、姿(すがた)を見ます。公園(こうえん)の入り口には、猪(いのしし)が入るのでドアをしめましょうという注意書きがあります。猪(いのしし)も梅(うめ)を見るのでしょうか?
梅干(うめぼ)しは日本で古くから作られている食品で、青い梅(うめ)の実(み)を塩に漬けて、赤じその葉(は)を加(くわ)えて色をつけ、日に干(ほ)して作る保存食(ほぞんしょく)です。味は酸(す)っぱいですが、健康(けんこう)にいいとされています。
文:三浦暁子
写真:岡野秀夫
(2022.10.11)