台風が来る前に
「現在、台風は南シナ海を１時間におよそ10キロの速さで北東へ進んでいます。」
こんなニュースを聞いたことがあるでしょうか。
日本では、夏から秋が台風の季節です。
台風は、日本より南のあたたかい地域で生まれ、強く大きく発達しながら日本にやってきます。
台風の中心が海岸に達することを上陸と言います。ただし、沖縄の場合は上陸ではなく通過と言います。
南からやってくることが多い台風は、沖縄を通過し、九州、四国、本州に上陸することが多いです。
上陸する前に海の上で力が弱くなることもあれば、力が強くなることもあります。海の温度が高いところを通ると、力が強くなると言われています。
風の強い台風、雨を多く降らせる台風、風も雨も強い台風など、いろいろなタイプの台風があります。そして、その強さや大きさも台風によって違います。場合によっては、各地で大きな被害となることもあります。
その原因は「高潮」です。
地震によって起こる大きな波を津波と言いますが、台風によって起こる大きな波は高潮と言います。高潮は、気圧の低下や強い風によって起こりますが、海の水面が高いときに重なってさらに大きな波になることもあります。台風のニュースを聞いたときには、この高潮に気をつけるとともに、強い風、大雨、停電や断水に備えなければなりません。大切な命を守るために、今から準備をしておくと安心です。
台風のくわしい情報は、天気予報を見るとわかります。
今、台風がどこにあるのか、それから、これからどのようなルートを進んでいくのかを知ることができます。台風の強さや動くスピード、そして私たちは何に気をつける必要があるのかを教えてくれます。
台風が近くなると、風が強くなるため、物が飛んできたり、看板が落ちてきたりして、家の外はとても危険です。ベランダの飛びやすいものは家の中に入れ、窓に雨戸やシャッターがあったら閉めておきましょう。
ハザードマップには、たくさんの大事な情報がのっています。
まず、高潮についての情報です。高潮で被害が出る可能性のある場所がわかる地図がのっています。
それから、大雨のときに気をつける地域です。たくさん雨が降って、川があふれてしまったときに、どの地域が危ないか、地図を見るとすぐにわかります。
そして、避難場所です。「避難指示」が出たときに、どこに避難すればいいかがわかります。
さらに、避難するときに持っていくものものっています。水や食べ物、お金や薬などです。
今のうちに準備して、ひとつのかばんにまとめておくと、もし本当に台風が来たとき役に立つでしょう。
日本に台風が上陸しない年はありません。それくらい台風は私たちの身の近くにあって、だれもが危険な目にあう可能性のあるものです。
台風は進むルートがだいたいわかるので、雨や風がはげしくなる前に、避難することが大切です。今すぐにハザードマップを確認し、台風に備えましょう。
文：新谷知佳
イラスト：イラストAC
(2022.8.16)
