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落語(らくご)

落語(らくご)」って()っていますか?舞台(ぶたい)の上で(えん)じる、日本の代表的(だいひょうてき)(げい)の一つです。江戸(えど)時代(じだい)(はじ)まり、今でも(つづ)いています。

落語(らくご)

その(げい)(えん)じるのは1人です。その人は、「落語(らくご)()」とよばれています。落語(らくご)()は、三味線(しゃみせん)太鼓(たいこ)といった、日本の楽器(がっき)(えん)(そう)する音楽(おんがく)()わせて舞台(ぶたい)に上がり、いろいろな話をします。その話を「落語(らくご)」と()います。落語(らくご)()が上がる舞台(ぶたい)は「高座(こうざ)」と()います。高座(こうざ)に上がるときに(えん)(そう)される音楽(おんがく)は「でばやし」と()って、落語(らくご)()によってちがう(きょく)使(つか)われます。

三味線(しゃみせん)

太鼓(たいこ)

高座(こうざ)

落語(らくご)()和服(わふく)()て出てきます。高座(こうざ)には座布団(ざぶとん)()かれていて、そこに正座(せいざ)(まげたひざを正面(しょうめん)()かってそろえてすわるすわり(かた))をして話をします。話の中には1時間以上(いじょう)かかるものもあるので、そのあいだその姿勢(しせい)ですわり(つづ)けるのはけっこうたいへんです。

落語(らくご)()()に「せんす(()りたためるおうぎ)」と「()ぬぐい (()(かお)をふく(ぬの))」を()っています。このせんすと()ぬぐいは、話の中でいろいろなものになります。せんすは、ものを食べる「はし」になったり、(きざ)んだたばこを()うときの「きせる」になったり、「(かたな)」になるときもあります。「()ぬぐい」も本や手紙(てがみ)になったり、「さいふ」になったりします。

「せんす」と「()ぬぐい」を使(つか)いながら、落語(らくご)()はいろいろな登場人物(とうじょうじんぶつ)を1人で(えん)じて話をすすめます。落語(らくご)には(わか)女性(じょせい)登場(とうじょう)しますが、年を()った落語(らくご)()がその女性(じょせい)(えん)じることもあります。

せんすと()ぬぐいを使って(えん)じる

落語(らくご)」にはいろいろな話があります。そして、同じ落語(らくご)でも、落語(らくご)()によって内容(ないよう)がちがうことがあります。落語(らくご)には()まったせりふがないので、落語(らくご)()はあらすじをもとに、自分(じぶん)だけの話にすることができるのです。
(ふる)くから(つた)わる落語(らくご)は「古典(こてん)落語(らくご)」とよばれています。自分(じぶん)(あたら)しい落語(らくご)(つく)落語(らくご)()もいます。そのような落語(らくご)を「新作(しんさく)落語(らくご)」と()います。
落語(らくご)には、たとえば(つぎ)のような話があります。「寿限無(じゅげむ)」という題名(だいめい)落語(らくご)です。
ある夫婦(ふうふ)に男の子が生まれたので、その子の名前をお(ぼう)さんに考えてもらおうとお(てら)に出かけます。するとお(ぼう)さんはとてもおめでたいことばをいろいろ()うので、とうとう子どもにそのことばを全部(ぜんぶ)使(つか)った長い名前を()けてしまうのです。その名前に使(つか)われたことばの意味(いみ)はむずかしいので省略(しょうりゃく)しますが、こんな名前です。
「じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ、かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ、うんらいまつ、ふうらいまつ、くうねるところにすむところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの、ちょうきゅうめいのちょうすけ」
こう書くだけでも(つか)れます。この子が大きくなり、(とも)だちとけんかをして(とも)だちの(あたま)をたたいてしまいます。するとその部分(ぶぶん)に「こぶ」(ひふが大きくふくれること)ができてしまいます。そこで(あたま)をたたかれた(とも)だちは、長い名前の子どもの母親(ははおや)にもんくを()いに行きます。でも、けんかの話をするのに、「じゅげむじゅげむ…」という長い名をくりかえさなければならないのです。落語(らくご)()実際(じっさい)何度(なんど)も「じゅげむじゅげむ…」をくりかえします。そしてようやくけんかの話が()わって、母親(ははおや)からこぶができた場所(ばしょ)を聞かれます。すると(とも)だちは、「名前が長いのでこぶがひっこんじまった(()っこんでしまった)」と()うのです。
寿限無(じゅげむ)」は(わら)える話ですが、落語(らくご)にはおばけが出てくるこわい話や、聞いていて(なみだ)が出そうになる話などいろいろあります。
落語(らくご)寿限無(じゅげむ)」はこちらのサイトで見ることができます。

文:神永曉

写真:写真AC

イラスト:イラストAC

(2024.3.8)

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