日本語多読道場 yomujp
雨の降(ふ)るようすを表(あらわ)す語
雨はいろいろな降(ふ)り方をします。激(はげ)しく降(ふ)ったり、少しだけ降(ふ)ったり、急に降(ふ)ったりといろいろです。
日本語には、そのような雨の降(ふ)り方を表現(ひょうげん)する語がたくさんあります。雨が降(ふ)るとき、そのような音を立てて降(ふ)るわけではありませんが、まるでそう聞こえるかのように表現(ひょうげん)した語です。
たとえば、雨が少しだけ降(ふ)るときは、「しとしと」「ぽつぽつ」「しょぼしょぼ」「ぱらぱら」「さーっ」が使われます。そして、それぞれ意味が違(ちが)います。
雨がぽつぽつ降(ふ)っている
「しとしと」は、こまかな雨が少しだけ静(しず)かに降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
「ぽつぽつ」は、雨が一つぶずつ落ちてくるようすを表(あらわ)します。雨の降(ふ)り始めのときによく使います。
「しょぼしょぼ」は、少しの雨がなんとなくさびしい感じで降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
「ぱらぱら」は、少しの雨が急に降(ふ)ってくるようすを表(あらわ)します。「ぱらぱら」という音も感(かん)じさせる語です。
「さーっ」は、降(ふ)ってすぐにやむような雨が、少しだけ降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
雨が激(はげ)しく降(ふ)るときは、「ざーっ」「ざあざあ」「ばらばら」が使われます。
雨がざあざあ降(ふ)っている
「ざーっ」は、激(はげ)しい雨が少しの間に降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
「ざあざあ」は、激(はげ)しい雨が長い時間続(つづ)けて降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
「ばらばら」は、大きなつぶの雨が急に降(ふ)ってくるようすを表(あらわ)します。「ぱらぱら」と同じように音も感(かん)じさせますが、「ぱらぱら」よりも雨のつぶが大きいときに使います。
長く降(ふ)る雨は、「じとじと」「びしょびしょ」が使われます。
「じとじと」は、少しの雨が長い時間続(つづ)けて降(ふ)るようすを表(あらわ)します。多くは6月から7月くらいにかけて雨が降(ふ)り続(つづ)く「梅雨(つゆ・ばいう)」のときの雨に使います。「じとじと」には、湿(しめ)っているという意味もあります。少しだけ雨が降(ふ)るときに使う「しとしと」とは、「しと」「じと」の違(ちが)いですがかなり意味が違(ちが)います。
「びしょびしょ」は、大きなつぶの雨が続(つづ)けて降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
道路(どうろ)にできた水たまり
「びしゃびしゃ」は、雨が地面(じめん)にたまりながら降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
「びちゃびちゃ」は、雨が水たまりにたまった水をはねあげながら降(ふ)るようすを表(あらわ)します。
水をはねあげながら降(ふ)る
これらの雨の降(ふ)り方を表(あらわ)す語は、「ざあざあ」のようにひらがなではなく、「ザアザア」とカタカナで書くこともあります。
また、雨だけではなく、雪(ゆき)が降(ふ)るようすや風が吹(ふ)くようすを表(あらわ)す語もあります。
雪(ゆき)は「こんこ・こんこん」「しんしん」「ちらちら」などです。風は、「ごーごー」「さわさわ」「そよそよ」「ひゅーひゅー」「びゅーびゅー」「ぴゅーぴゅー」などです。それぞれ意味が違(ちが)いますので、違(ちが)いは辞典(じてん)で調(しら)べてみてください。
文:神永曉
写真:フォトAC
(2022.10.18)