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()みわら》

Wheatstacks, Snow Effect, Morning by Claude Monet

1891, J. Paul Getty Museum, Los Angels

この()は、フランス人の画家(がか)クロード・モネ(1840〜1926)によって(えが)かれた《()みわら》です。

1859年、モネは18(さい)のときに、()の勉強をするためにパリに行きます。そこでルノワール (Pierre-Auguste Renoir, 1841〜1991) やシスレー (AlfredSisley, 1839〜1899) と出会います。

クロード・モネ

Nadar, Public domain, via Wikimedia Commons

1874年、(かれ)発表(はっぴょう)した印象(いんしょう)()()は、(はじ)めはあまり評価(ひょうか)されませんでした。このころモネとともにパリで活動(かつどう)していた画家(がか)たちは、この作品から印象派(いんしょうは)()ばれるようになりました。印象派(いんしょうは)の作品は次第(しだい)評価(ひょうか)されるようになり、《印象(いんしょう)()()》はモネの代表作(だいひょうさく)になりました。

モネは1883年、ノルマンディー地方のジヴェルニー()()しました。それ以来、()くなるまでの40年ほどの間に(えが)かれた作品の多くは、自宅(じたく)から3キロメートル以内(いない)風景(ふうけい)(えが)いたものでした。

そして、一つのモチーフを(こと)なる時間や季節(きせつ)(えが)く「連作(れんさく)」を(えが)きはじめました。この《()みわら》も連作(れんさく)の一つです。

()みわら (ゆき)効果(こうか)、朝》

Wheatstacks, Snow Effect, Morning by Claude Monet

1891, J. Paul Getty Museum, Los Angels

モネは、1890年の夏から1891年の春にかけて25(てん)の《()みわら》を(えが)きました。「()みわら」とは、収穫(しゅうかく)が終わった(はたけ)()まれた()(くさ)の山です。モネは、時間、季節(きせつ)天候(てんこう)変化(へんか)する(ひかり)のもとで(ちが)って見える「()みわら」の表情(ひょうじょう)(こま)かくとらえて、同じ視点(してん)から(えが)(つづ)けました。

()みわら 夏の()わり》

Stack of Wheat, End of Summer by Claude Monet

1890/91, The Art Institute of Chicago

()みわら 解氷(かいひょう)夕日(ゆうひ)

Stack of Wheat, Thaw, Sunset by Claude Monet

1890/91, The Art Institute of Chicago

モネは86(さい)()くなりましたが、その生涯(しょうがい)で2,000(てん)以上の作品を(えが)きました。(かれ)は家の中ではなく、外で()(えが)くことを(この)みました。そこで、モチーフ自体が持っている色ではなく、それが(ひかり)によって変化(へんか)する「印象(いんしょう)」を()(えが)(つづ)けました。(するど)観察力(かんさつりょく)(ゆた)かな色彩感覚(しきさいかんかく)を持ったモネは、印象派(いんしょうは)代表的(だいひょうてき)な画家といえるでしょう。

文:Naoko Ikegami

画像:パブリックドメイン

(2024.9.17)

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