徳島県

徳島県は、日本の四国地方にある県の一つで、豊かな自然と伝統文化が魅力の地域です。四国の東側に位置し、北は瀬戸内海、南は太平洋に面しています。また、四国の中で本州に一番近く、兵庫県の淡路島を通って本州とつながる「大鳴門橋」があることでも知られています。

本州と徳島県を結ぶ大鳴門橋。渦潮が見られることでも有名
徳島県の面積と人口
徳島県の面積は約4,147平方キロメートルで、全国47都道府県の中で36番目の広さです。四国4県(徳島、香川、愛媛、高知)の中では3番目に広い県です。一方、人口は約68万人で、全国で44番目に少なく、四国の中でも比較的人口が少ない県です。
観光名所
①鳴門の渦潮
徳島県の観光名所として最も有名なのが「鳴門の渦潮」です。鳴門海峡は、淡路島との間にある海峡で、潮の満ち引きによって大きな渦潮が発生します。春と秋の大潮の時期には、世界でも最大級の渦潮が見られ、その大きさは直径20メートル以上になることもあります。観潮船に乗れば、渦潮を間近で見ることができるので、迫力満点の景色を楽しめます。
渦潮が発生する鳴門海峡は、昔から本州と四国をつなぐ重要な海上ルートでした。特に江戸時代には、四国の特産品や塩、米などを運ぶため、多くの船が行き交いました。現在も大鳴門橋を通じて、本州との交通の要所となっています。

最大20メートルになる鳴門の渦潮は世界的にも最大級と言われている


昔、戦に負けた武士が作ったという説のあるシラクチカズラの橋
③阿波おどり
徳島県といえば「阿波おどり」が有名です。毎年8月12日から15日にかけて徳島市で行われ、全国から100万人以上の観光客が訪れます。踊り手は「連」と呼ばれるグループになり、軽快なリズムに合わせて「ヤットサー! ヤットヤット!」の掛け声とともに踊ります。踊りには「男踊り」と「女踊り」があり、それぞれ違った魅力があります。阿波おどりは約400年の歴史を持ち、日本三大盆踊りの一つとされています。
起源としては、1586年、蜂須賀家政が徳島城を築いた際に、庶民が楽しむための踊りとして始まったという説のほか、もともと行われていた盆踊りが変化したという説や、当時流行していた「風流踊り」という踊りが変化したという説があります。最初は型のない自由な踊りでしたが、次第に今の形に発展していきました。

息の合った動きが魅力的な阿波おどり。徳島県の夏の風物詩となっている
名産品・特産品
① すだち
徳島県といえば「すだち」が特産品として有名です。すだちは柑橘類の一種で、さわやかな香りと酸味が特徴です。焼き魚やうどん、刺身などに絞ってかけると、料理の味を引き立てます。徳島県は全国のすだちの生産量の約98%を占める、日本一のすだちの産地です。

料理の味を引き立てる名脇役として人気
③徳島ラーメン
徳島ラーメンは、3種類のスープが特徴のラーメンです。スープはそれぞれ甘辛い茶系、あっさりした白系、マイルドな黄系という違った味わいで、トッピングには甘辛く煮た豚バラ肉や生卵がのることが多いです。地元では、ご飯と一緒に食べるのが定番のスタイルです。

甘辛く煮たお肉の味がスープにも移り、癖になる味わいを生み出している
まとめ
徳島県は、自然、文化、歴史が豊かな県です。鳴門の渦潮や阿波おどりといった観光名所があり、すだちやなると金時などのおいしい特産品もたくさんあります。また、江戸時代には蜂須賀氏が治め、文化が発展してきました。人口はあまり多くありませんが、伝統と現代が融合した魅力的な県です。徳島を訪れた際には、ぜひ歴史や文化に触れながら、観光やグルメを楽しんでみてください。
文:鈴木大
画像:素材ライブラリー/photoAC/Adobe Stock/大歩危祖谷ナビ
(2025.4.22)