岡山県

岡山県は中国地方の南東にある県で、北側を鳥取県、東側を兵庫県、西側を広島県と接しています。
温暖な気候に恵まれた県で、「晴れの国」とも呼ばれ、年間を通して雨が少なく、天気の良い日が多いのが特徴です。山や川、海があり、自然とふれあえる観光地もたくさんあります。
面積は約7,115km2で、全国で17番目の広さです。人口は約182万人で、全国では20番目に大きい県です。
観光名所
岡山県には多くの観光名所があるので、その中で有名なものを紹介します。
● 岡山後楽園
岡山城の近くにあるこの日本庭園は、江戸時代(1700年)に作られたもので、「日本三名園」のひとつに数えられています。四季折々の風景が楽しめ、多くの観光客が訪れます。
約14.4ヘクタールの広さがあり、池や小川、築山(小さな人工の山)、茶室などがバランスよく配置されています。園内はどこを歩いても景色が美しく見えるよう工夫されています。

● 岡山城
岡山城も後楽園とセットでとても人気のある観光地です。「烏城」とも呼ばれ、黒い外壁がかっこいいお城です。戦国時代の武将・宇喜多秀家が安土桃山時代(1597年)に築いたお城です。
残念ながら、岡山城の天守閣(お城の一番高い建物)は第二次世界大戦の空襲で焼けてしまいました。しかしその後、多くの人の力によって1966年に再建されました。外見は昔のままですが、現在の天守の中は博物館になっていて、岡山の歴史や宇喜多秀家に関する展示、刀や鎧、当時の生活の様子などが紹介されています。最上階からは、岡山の町や後楽園が一望できます。

江戸時代の面影を色濃く残す歴史的な町並みが魅力の観光地です。白壁の蔵屋敷やなまこ壁、柳並木が続く風景は、まるで昔にタイムスリップしたかのような雰囲気を楽しめます。
ここには 倉敷デニムストリート といって、倉敷発祥のデニム製品を扱うショップが並ぶ通りがあります。また、くらしき川舟流しという倉敷川を舟で巡り、昔ながらの町並みを水上から楽しめる観光体験もあります。



名産品・特産品
岡山県は果物や野菜の生産も盛んで、また海に面していることから海産物の名物もあります。
果物で特に有名なのが白桃とマスカット・オブ・アレキサンドリアです。
● 白桃
白桃はやわらかくて甘く、夏になると全国から注文が入るほどの人気です。岡山県は日照時間が長く、雨が少ない気候のため、甘くて味の濃い桃が育ちます。また、雨が少ないと実が割れにくく、美しい見た目の桃になるのです。

● マスカット・オブ・アレキサンドリア
「ぶどうの女王」とも呼ばれるこのマスカットは、緑色でつやつやした見た目と、上品な香り、さっぱりとした甘みが魅力です。皮が薄く、種も少ないため、そのまま食べることができます。
マスカット・オブ・アレキサンドリアは、もともとエジプト原産のブドウですが、明治時代から岡山で育てられてきました。岡山では、温室で手間ひまをかけて育てるため、1房1万円を超える高級品も存在します。

● ままかり
ままかりも岡山名物です。さっぱりとした味で、お寿司や南蛮づけにされて食べられます。ままかりの正体は「サッパ」という魚です。体が銀色に光り、見た目はイワシやコハダに似た小さな魚で、岡山県の沿岸部や瀬戸内海でよくとれます。

「ごはん(まんま)を借り(かり)てくるほどおいしい」と言われたことから名づけられたという説がある
歴史的な成り立ち
岡山県は、古くから人が住んでいた土地で、吉備国と呼ばれていました。吉備は、古代日本で大きな力を持っていた国の一つで、吉備津神社などがその名残を伝えています。
日本の昔話「桃太郎」の話のもとになったともいわれるのが、この吉備国です。鬼が島のモデルは岡山の鬼ノ城という古代の山城だったという説もあります。

戦国時代には、宇喜多直家や秀家といった武将たちが岡山の地をおさめ、町を発展させました。江戸時代には、池田家が岡山藩をおさめ、後楽園などを作って文化が栄えました。
交通の便利さ
岡山県は新幹線や高速道路、そして瀬戸大橋などの交通網がしっかりしています。とくに岡山駅は山陽新幹線と四国への連絡線の接続点で、「西の交通の要」としても大事な役割を果たしています。
岡山港からは小豆島や香川県などへフェリーも出ていて、海の交通も発達しています。
まとめ
岡山県は、温暖な気候と自然にめぐまれた県で、歴史や文化、そしておいしい果物や海の幸が楽しめる場所です。観光地も多く、城や庭園、昔の町並みなどを通して日本の伝統にふれることができます。
晴れの日が多いことから「晴れの国」ともよばれる岡山。みなさんも、ぜひ一度その魅力を体験してみてください。
文:鈴木大
写真:岡山県観光連盟/素材ライブラリー/photoAC/AdobeStock
(2025.9.26)