日本語を勉強する人のための読みものサイト

宮崎県(みやざきけん)

九州(きゅうしゅう)の南東に位置(いち)する宮崎県(みやざきけん)は、温暖(おんだん)気候(きこう)(うつく)しい自然(しぜん)が広がる(けん)です。青い海と(みどり)の山々、歴史(れきし)ある神社(じんじゃ)や古代の遺跡(いせき)、南国の果物(くだもの)など様々(さまざま)魅力(みりょく)がたくさんつまっています。

宮崎県(みやざきけん)面積(めんせき)はおよそ7,734平方(へいほう)キロメートルで、全国(ぜんこく)で14番目(ばんめ)の広さです。広い土地に(たい)して人口はおよそ107万人で、これは全国(ぜんこく)で35()くらいの少なさです。自然(しぜん)(ゆた)かでのんびりとした生活(せいかつ)ができる地域(ちいき)です。

自然(しぜん)気候(きこう)

宮崎県(みやざきけん)は、太平洋(たいへいよう)(めん)していて、あたたかくて日ざしが多いため、「日本の南国」と言われることもあります。平野部(へいやぶ)では冬でも(ゆき)()ることは少なく、年間を通してすごしやすい気候(きこう)です。南部(なんぶ)には「日南海岸(にちなんかいがん)」があり、青い海と(うつく)しい景色(けしき)が楽しめます。

また県内(けんない)には「高千穂峡(たかちほきょう)」という日本神話(しんわ)にも登場(とうじょう)する幻想的(げんそうてき)渓谷(けいこく)もあり、(はしら)のような(いわ)とエメラルドグリーンの川の風景(ふうけい)がとても人気です。

日南海岸(にちなんかいがん)の「サンメッセ日南」にはイースター(とう)から正式(せいしき)許可(きょか)()たモアイ(ぞう)(なら)

観光(かんこう)名所(めいしょ)

青島(あおしま)神社(じんじゃ)

青島(あおしま)という小さな(しま)に建てられた神社(じんじゃ)です。海にかこまれているため、神社(じんじゃ)へ行くには海の上にかかった(はし)(わた)って行きます。(しま)周辺(しゅうへん)で見られる「(おに)洗濯板(せんたくいた)」とよばれる(なみ)のようなギザギザの模様(もよう)がある(いわ)も見どころの一つです。

青島(あおしま)神社(じんじゃ)には、縁結(えんむす)びや夫婦円満(ふうふえんまん)安産(あんざん)などのご利益(りやく)があるといわれており、「人とのつながり」や「家族のしあわせ」を(ねが)う人たちがおまいりに来る神社(じんじゃ)です。

(しま)の上にある(めずら)しい神社(じんじゃ)非日常的(ひにちじょうてき)感覚(かんかく)(つつ)まれます

鵜戸神宮(うどじんぐう)

海にせまった断崖(だんがい)洞窟(どうくつ)の中にある、めずらしい神社(じんじゃ)です。古くから安産(あんざん)子宝(こだから)恋愛(れんあい)(かみ)さまとして信仰(しんこう)されています。断崖(だんがい)の下にある「亀岩(かめいわ)」という(いわ)のくぼみに「運玉(うんだま)」を()げて(ねが)いごとをする風習があります。

断崖(だんがい)に立つ鵜戸神宮(うどじんぐう)運玉(うんだま)()げ入れる亀岩(かめいわ)鵜戸神宮(うどじんぐう)から見下ろした海岸(かいがん)

高千穂峡(たかちほきょう)

火山の活動(かつどう)でできた渓谷(けいこく)で、(うつく)しい(たき)(いわ)風景(ふうけい)が広がっています。高さ(やく)17mから水が(なが)()ちる真名井(まない)(たき)は日本の(たき)100(せん)にも(えら)ばれており、その近くまで行けるボート体験はとても人気のアクティビティとなっています。

高千穂峡(たかちほきょう)のまわりには、「天岩戸(あまのいわと)神社(じんじゃ)」など日本の神話(しんわ)にゆかりのある神社(じんじゃ)も多くあり、昔話(むかしばなし)(かみ)さまの伝説(でんせつ)が生きているロマンのある地域(ちいき)です。

(たき)(ゆた)かな自然(しぜん)身近(みぢか)(かん)じることができる神秘的(しんぴてき)な空間

名物・特産品(とくさんひん)

●マンゴー(ブランド名:太陽(たいよう)のタマゴ

宮崎県(みやざきけん)といえば高級(こうきゅう)フルーツの「マンゴー」が有名です。とくに「太陽(たいよう)のタマゴ」という名前のブランドマンゴーは(あま)くてジューシーで大人気です。1つ数千円から1万円以上することもあり、おみやげや(おく)り物にもよろこばれています。

宮崎県(みやざきけん)は、あたたかい気候(きこう)と日ざしの強さ、雨が少ないことなど、マンゴーを(そだ)てるのにとても(てき)した環境(かんきょう)です。

宮崎(みやざき)代表(だいひょう)する特産品(とくさんひん)の一つである太陽(たいよう)のタマゴ

地鶏(じどり)チキン南蛮(なんばん)

宮崎(みやざき)地鶏(じどり)「みやざき地頭鶏(じとっこ)」は、肉がしっかりしていて非常(ひじょう)にうまみの強い鶏肉(とりにく)です。宮崎(みやざき)では炭火焼(すみびや)きで食べるのが一般的(いっぱんてき)な食べ方で、(すみ)(こう)ばしさも(あい)まってとてもおいしいです。そして「チキン南蛮(なんばん)」は、からあげに甘酢(あまず)とタルタルソースをかけた料理で、この()()わせが病みつきになる宮崎県(みやざきけん)発祥(はっしょう)のグルメです。

宮崎県(みやざきけん)代表(だいひょう)する鶏料理(とりりょうり)じとっこの炭火焼(すみびや)きとチキン南蛮(なんばん)

芋焼酎(いもじょうちゅう)
芋焼酎(いもじょうちゅう)とは、「さつまいも」を原料(げんりょう)にして作る日本の伝統的(でんとうてき)なお(さけ)のことです。特に九州(きゅうしゅう)地方ではとても人気があり、宮崎県(みやざきけん)全国(ぜんこく)有数(ゆうすう)芋焼酎(いもじょうちゅう)産地(さんち)として知られています。

宮崎県(みやざきけん)で有名な焼酎(しょうちゅう)メーカーとしては霧島(きりしま)酒造(しゅぞう)都城市(みやこのじょうし))や雲海(うんかい)酒造(しゅぞう)宮崎市(みやざきし))などがあります。先に()げた地鶏(じどり)やチキン南蛮(なんばん)との相性(あいしょう)()く、日常(にちじょう)生活(せいかつ)の中で親しまれています。

宮崎(みやざき)(ぎゅう)

全国(ぜんこく)でもトップクラスのおいしさを(ほこ)黒毛和牛(くろげわぎゅう)です。やわらかくて(あぶら)ののりもよく、全国(ぜんこく)品評会(ひんぴょうかい)でたくさんの(しょう)をとっているブランド牛です。宮崎(みやざき)(ぎゅう)名乗(なの)るためには、以下のような(きび)しい条件(じょうけん)があり、(えら)ばれた牛だけが宮崎(みやざき)(ぎゅう)になれるのです。

宮崎県(みやざきけん)で生まれて、(そだ)てられた黒毛和種(くろげわしゅ)という種類(しゅるい)の牛であること

・お肉のやわらかさや、あぶらの入り方などの基準(きじゅん)が肉質等級(とうきゅう等級(とうきゅう)以上であること

きれいなサシ(脂身(あぶらみ))が入ったお肉が特徴(とくちょう)(あぶら)がとても(あま)(かん)じます

歴史(れきし)

宮崎(みやざき)は古代神話(しんわ)舞台(ぶたい)として知られています。

先にも記載(きさい)したように高千穂(たかちほ)は、日本の神話(しんわ)故郷(ふるさと)とも言われています。特に、「天孫降臨(てんそんこうりん)」という神話(しんわ)では、天照大神(あまてらすおおみかみ)(まご)にあたる(かみ)さま「ニニギノミコト」が(かみ)さまの()らす天界から高千穂(たかちほ)()りてきたとされています。

また、「西都原古墳群(さいとばるこふんぐん)」という大きな古墳(こふん)がたくさんある場所(ばしょ)もあります。宮崎県(みやざきけん)西都市(さいとし)にあり、日本全国(ぜんこく)を見ても一か(しょ)に集まっている(かず)がとても多く、全部(ぜんぶ)で300()以上の古墳(こふん)が見つかっています。

世紀(せいき)後半から7世紀(せいき)前半((やく)1,700〜1,400年前)に作られたと考えられており、これは古墳(こふん)時代(じだい)とよばれる時代(じだい)です。

かつて宮崎(みやざき)のこの地に多くの権力者(けんりょくしゃ)が住んでいたことを(しめ)(あかし)

人と文化(ぶんか)

宮崎(みやざき)の人は、あたたかくてやさしい人が多いと言われています。自然(しぜん)(ゆた)かな環境(かんきょう)()ごす生活(せいかつ)の中で、ゆったりとした時間が(なが)れているからかもしれません。

神楽(かぐら)」という伝統(でんとう)(まい)も有名で、(かみ)さまへの感謝(かんしゃ)をこめて、夜通し(おど)るお(まつ)りが今でも行われています。特に高千穂(たかちほ)()神楽(かぐら)は、観光客(かんこうきゃく)にも人気です。

古くから()()がれている「神楽(かぐら)」は今でもこの地域(ちいき)根付(ねづ)いています

宮崎県(みやざきけん)は、神話(しんわ)故郷(ふるさと)とよばれるほど古い歴史(れきし)(ゆた)かな自然(しぜん)(のこ)場所(ばしょ)です。おいしい食べ物もたくさんあり、のんびりとした空気が(なが)れています。機会(きかい)があれば、ぜひ宮崎県(みやざきけん)(おとず)れてみてください!

文:鈴木大
写真:鵜戸神宮/高千穂町観光協会/みやざき観光ナビ/素材ライブラリー/photoAC/AdobeStock

(2025.12.12)

You cannot copy content of this page