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岐阜県(ぎふけん

岐阜ぎふけんは、日本のちょうど真ん中あたりにあるけんで、海にめんしていない「内陸ないりくけん」のひとつです。北は富山とやまけん石川いしかわけん、南は愛知あいちけんなどとせつしています。

面積めんせき全国ぜんこくで7番目ばんめに広いけんで、およそ1万600平方へいほうキロメートルあります。人口は全国ぜんこくで17番目ばんめに多く、およそ190万人が住んでいます。

岐阜ぎふけんは、大きく分けて「美濃みの地方」と「飛騨ひだ地方」の2つに分かれています。南の美濃みの地方は平野へいやが多く、工場や都市としが広がっています。北の飛騨ひだ地方は山が多く、自然しぜんゆたかでゆきがたくさん地域ちいきもあります。

今回こんかいはそんな岐阜ぎふけんについて紹介しょうかいをしていきます。

観光かんこう名所めいしょ

岐阜ぎふけんには、歴史れきし自然しぜんを感じられる観光かんこう地がたくさんあります。

白川郷しらかわごう

白川村しらかわむらというところにある、山にかこまれた小さな集落しゅうらくです。1995年に世界遺産せかいいさんにも登録とうろくされています。有名な「白川郷しらかわごう合掌造がっしょうづく」は、ゆきの重みに強い、三角屋根さんかくやねの木の家です。屋根やねが手をわせたような三角形さんかくけいかたち(=合掌造がっしょうづくり)になっていて、これによってゆきがたまりにくくなる工夫くふうがされています。白川郷しらかわごうゆきがたくさんるので、こうした作りがとても大切です。

世界遺産せかいいさんというと「見るだけの場所ばしょ」と思うかもしれませんが、白川郷しらかわごうには今もたくさんの人がらしています。観光かんこうでもあり、また住民じゅうみんの方々がむかしからの文化ぶんか生活せいかつを大事にまもりながららしているのが白川郷しらかわごうのすごいところです。

豪雪(ごうせつ)地帯(ちたい)で生き()知恵(ちえ)として合掌造(がっしょうづく)りの家が生まれたと言われている

飛騨高山(ひだたかやま)

高山市は「飛騨(ひだ)小京都(しょうきょうと)」ともよばれる町で、その中心部(ちゅうしんぶ)には江戸時代(えどじだい)雰囲気(ふんいき)(かん)じられる古い町並(まちな)みが今も(のこ)っています。毎年春(4月)と秋(10月)には日本三大美祭(びまつり)の一つに(かぞ)えられる「高山祭(たかやままつり)」という大きなお(まつ)りが行われ、全国(ぜんこく)から観光(かんこう)(きゃく)が集まります。

この(まつ)りで特に目をひくのは、大きくて(はな)やかな(まつり)屋台(やたい)です。からくり人形(にんぎょう)が動く屋台や夜に(やく)100()もの提灯(ちょうちん)(とも)されるなど、昼も夜もとても(うつく)しく、(まつ)りを()り上げます。

豪華(ごうか)絢爛(けんらん)な屋台が高山祭(たかやままつり)に花を()える

下呂温泉(げろおんせん)

下呂温泉(げろおんせん)は、岐阜(ぎふ)(けん)中部(ちゅうぶ)にある、とても有名な温泉地(おんせんち)です。有馬(ありま)温泉(おんせん)兵庫(ひょうご)(けん))、草津(くさつ)温泉(おんせん)群馬(ぐんま)(けん))とならんで、日本三名泉(めいせん)の一つに(かぞ)えられています。下呂温泉(げろおんせん)のお()はぬるっとした、なめらかな感触(かんしょく)特徴(とくちょう)です。これは、アルカリ(せい)単純(たんじゅん)温泉(おんせん)という種類(しゅるい)のお()で、お(はだ)をつるつるにしてくれる「美人(びじん)()」とも言われています。

下呂温泉(げろおんせん)には、たくさんの旅館やホテルがあり、町の中には、飛騨(ひだ)(がわ)(なが)れていて、その川沿()いに温泉(おんせん)宿(やど)がならんでいます。また、無料(むりょう)で入れる足湯(あしゆ)もあちこちにあります。足湯(あしゆ)とは、足だけを温泉(おんせん)につけてあたためる小さなお風呂(ふろ)のことです。気軽(きがる)温泉(おんせん)気分を味わうことができ、観光(かんこう)(きゃく)にも人気があります。

飛騨(ひだ)(がわ)を中心に宿(やど)(つら)なる温泉(おんせん)(がい)。ライトアップされた風景(ふうけい)幻想的(げんそうてき)

名産品(めいさんひん)特産品(とくさんひん)

岐阜(ぎふ)(けん)には、地元の自然(しぜん)気候(きこう)()かした食べものや工芸品(こうげいひん)があります。

飛騨(ひだ)(ぎゅう)

全国(ぜんこく)でも有名な高級(こうきゅう)ブランド(ぎゅう)です。とろけるようなやわらかさと、お肉の中に(こま)かく入った(あぶら)特徴(とくちょう)で、ステーキや()き肉、すき()きなどにぴったりです。

また飛騨(ひだ)(ぎゅう)と認められるにはいくつかの(きび)しい条件(じょうけん)をクリアする必要(ひつよう)があります。

岐阜(ぎふ)(けん)で14か月以上飼育(しいく)されたこと(岐阜(ぎふ)(けん)で生まれた牛でなくてもOK)

黒毛(くろげ)和種(わしゅ)という種類(しゅるい)の牛であること

・お肉の等級(とうきゅう)が肉質3等級(とうきゅう)以上(5等級(とうきゅう)一番(いちばん)高い!)かつ歩留(ぶどまり)等級(とうきゅう)A等級(とうきゅう)またはB等級(とうきゅう)

つまり、「飛騨(ひだ)(ぎゅう)」は特別な環境(かんきょう)と手間ひまをかけて(そだ)てられた、(えら)ばれた牛肉なのです。

高級(こうきゅう)なブランド(ぎゅう)として知られる飛騨(ひだ)(ぎゅう)

(あゆ)

岐阜(ぎふ)(けん)(ない)(なが)れる長良川(ながらがわ)()れる(あゆ)は、全国(ぜんこく)でも有名です。

(あゆ)をつかまえる方法(ほうほう)特徴(とくちょう)があり、「鵜飼(うかい)」という伝統的(でんとうてき)漁法(ぎょほう)を行います。鵜飼(うかい)とは「()」という鳥を使った(りょう)のことです。()は水の中に素早(すばや)くもぐって魚をとるのがとくいな鳥です。

()がもぐって(つか)まえた(あゆ)を飲み()んでしまわないように、()(くび)に「のど()」という(ひも)(むす)んでおき、()き出させるようにしています。毎年5月から10月ごろまでの夜に行われ、とくに夏の夜は観光(かんこう)(せん)にのって、かがり火の下で行われる()(かい)観光(かんこう)することができます。まるで(むかし)にタイムスリップしたような、ふしぎで(うつく)しい風景(ふうけい)です。

()(かい)による(あゆ)(りょう)は1300年前(奈良(なら)時代(じだい))から(つづ)いている伝統(でんとう)漁法(ぎょほう)

美濃(みの)(やき)

1300年以上の歴史(れきし)をもつ陶器(とうき)で、岐阜(ぎふ)(けん)東部(とうぶ)、とくに多治見市(たじみし)土岐市(ときし)瑞浪市(みずなみし)可児市(かにし)を中心に作られています。美濃(みの)の国((むかし)岐阜(ぎふ)(けん)南部(なんぶ)の名前)で作られていたので、「美濃(みの)(やき)」という名前がつきました。

美濃(みの)(やき)は、海外でも人気があり、「Mino ware」として知られています。普段使(ふだんづか)いできるデザインとしつらえの()さが外国の方からも()かれています。

美濃(みの)(やき)体験も観光(かんこう)(きゃく)に人気のアクティビティとなっている

歴史的(れきしてき)()り立ち

岐阜(ぎふ)(けん)は、(むかし)からいろいろな時代で重要(じゅうよう)場所(ばしょ)とされてきました。特に戦国時代(せんごくじだい)には、織田(おだ)信長(のぶなが)美濃(みの)稲葉山城(いなばやまじょう)をおさえ、「岐阜(ぎふ)(じょう)」と名前を()えて、天下統一(とういつ)目指(めざ)拠点(きょてん)にしました。「岐阜(ぎふ)」という名前は、中国の(むかし)の国「(しゅう)」にちなんで信長(のぶなが)がつけたといわれています。 また、飛騨(ひだ)地方は昔「飛騨匠(ひだのたくみ)」とよばれる大工さんたちが多くいて、京都(きょうと)奈良(なら)神社(じんじゃ)(てら)(つく)るなど、全国(ぜんこく)(てき)活躍(かつやく)していました。

平野(へいや)一望(いちぼう)できる高台に建つ岐阜(ぎふ)(じょう)織田(おだ)信長(のぶなが)天下統一(てんかとういつ)拠点(きょてん)となった

まとめ

岐阜(ぎふ)(けん)は、自然(しぜん)(うつく)しさ、歴史(れきし)(ふか)さ、そして伝統的(でんとうてき)文化(ぶんか)がたくさんつまった(けん)です。山に(かこ)まれた飛騨(ひだ)地方と、都市(とし)や工業が発展(はってん)した美濃(みの)地方とでは、風景(ふうけい)文化(ぶんか)も少しずつちがいます。

歴史(れきし)に名前を(のこ)した武将(ぶしょう)や、大工の名人、そして伝統(でんとう)(まも)る人たちが今もたくさんいて、(おとず)れる人をあたたかく(むか)えてくれます。

みなさんも、もし機会(きかい)があれば岐阜(ぎふ)(けん)に行って、自然(しぜん)歴史(れきし)、食べ物を楽しんでみてくださいね!

文:鈴木大
写真:素材ライブラリー/photoAC/AdobeStock/飛騨高山観光公式ガイド

(2025.7.22)

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