日本語多読道場 yomujp
美々(びび)貝塚(かいづか)
北海道の千歳市(ちとせし)に、美々(びび)川という川があります。「美(び)」という文字を二つ続(つづ)けて書き、「びび」と読む川です。その名が示(しめ)す通り、美(うつく)しい川です。この川は新(しん)千歳(ちとせ)空港(くうこう)の近くにある丘(おか)から流(なが)れ始め、千歳(ちとせ)湖(こ)を経(へ)て、湿原(しつげん)を蛇行(だこう)しながら苫小牧(とまこまい)市(し)に向(む)かって流(なが)れていきます。
美々(びび)貝塚(かいづか)の出土品
不思議(ふしぎ)な美々(びび)貝塚(かいづか)
実際(じっさい)に美々(びび)貝塚(かいづか)へ出向(でむ)いてみて、私はたいそう驚(おどろ)きました。貝塚(かいづか)のかたまりが、そのまま保存(ほぞん)されており、圧倒的(あっとうてき)な迫力(はくりょく)です。もっとも、展示施設(てんじしせつ)は華美(かび)なものではありません。ごく普通(ふつう)のプレハブ小屋のような建物です。ところが、いざドアをあけ、中に入ると、たくさんの貝(かい)が積(つ)み重なった断面(だんめん)がそびえ立って、私たちを迎(むか)えてくれます。古代の人々が採集(さいしゅう)し、食べ、そして放棄(ほうき)した貝(かい)がらが、山のように積(つ)まれています。そこはただのゴミ捨(す)て場ではありません。聖(せい)なる空間のように感(かん)じます。美々(びび)貝塚(かいづか)には人やイヌも葬(ほうむ)られていたといいますから、人々にとって、そこは大切な場所(ばしょ)であったに違(ちが)いありません。
展示施設(てんじしせつ)
違(ちが)う側面(そくめん)から見た美々(びび)貝塚(かいづか)
入り口近くには白い花が
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環境(かんきょう)センターの計量所(けいりょうじょ)でカギをもらいます
文:三浦暁子
写真:三浦暁子
(2024.3.12)
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