沖縄の自然と地理
沖縄は日本の一番南にあります。海がきれいで、暖かいです。そのため、多くの人が沖縄に観光に行きます。沖縄の豊かな自然はどのようにしてできたのでしょうか。
人が石の道具を使っていた遠い時代にすでに沖縄には人が住んでいました。その中で一番古い人の骨は36,000年前のものと言われています。沖縄県八重瀬町では、およそ20,000年前のほぼ完全な人の骨が発見されました。港川フィッシャーと呼ばれるところで見つかった人の骨は、港川人と呼ばれています。
港川フィッシャー
港川人の郷
それではなぜ、沖縄の海にサンゴが育つのでしょうか。サンゴは水がきれいで澄んでいる海でしか生きられません。サンゴが共生している褐虫藻という植物から栄養をもらっているからです。海がきれいでないと太陽の光が海中に届かず、光合成ができません。そのため、サンゴは栄養がもらえず死んでしまいます。沖縄は海がきれいなのでサンゴがよく育ちました。
沖縄の海のサンゴ
沖縄トラフがあるので沖縄の海がきれいになったことはわかりました。では、沖縄トラフはどのようにしてできたのでしょうか?
地球の表面は何枚かのプレートと呼ばれるものによっておおわれています。そして、そのプレートは毎年少しずつ動いています。沖縄では、ユーラシアプレートと呼ばれるプレートにフィリピン海プレートという別のプレートが潜り込んでいます。この2つのプレートのぶつかり合いによって沖縄トラフはできました。
地球上のプレート
沖縄トラフのおかげで沖縄のきれいな海ができたのですが、良いことばかりではありません。プレートのぶつかるところでは地震が起きます。1771年4月24日に沖縄の八重山列島近海で地震が起きました。地震自体はそれほど大きくなかったのですが、その後、30mを超える大津波が、八重山列島や宮古島などに押し寄せました。約11,000人の人たちが亡くなったり、行方不明になったと言われています。これらの島々では、その大津波によって打ち上げられた大きな岩が現在でも海岸などに残っています。その後の約250年間、沖縄でこのような大きな津波は起きていません。しかし、また、いつこのような災害が起こるか、誰にも分かりません。
大津波によって打ち上げられた岩
日本にはこの2つのプレートのほかに太平洋プレート、北米プレートと呼ばれる4つのプレートがあります。プレートの境界では、大きな地震が起こる可能性があります。ちなみに、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、北米プレートと太平洋プレートがぶつかりあう場所が震源になっています。地震の規模はマグニチュード(M)という単位で表します。東日本大震災はM9.0という巨大なものでした。同じような場所でのとても大きな地震は、M8.3 以上と推定されている869年の貞観地震以来で、実に1,142年ぶりのものでした。プレートの境界面で起こるこれほどの地震は、このようにそれほど頻繁には起こりません。しかし、このような地震もいつどこで起こるか、正確なことはわかりません。地震は、プレートの境界以外でも断層と言われる地層や岩盤に生じた割れ目に沿って両側がずれている箇所で起こるものや火山活動によって引き起こされるものもあります。
4つのプレートの境界にある日本は、そのおかげで、沖縄のきれいな海とか、温泉などに恵まれています。しかし、反対に地震や火山の噴火などの自然災害が起こることもあります。ですから、日本の自然について正確なことを知り、備えることが大切です。そのうえで、日本の自然を楽しめたら良いですね。
沖縄にはたくさんの島があります。どこもとてもきれいな海に囲まれた美しい島々です。皆さんも、是非、一度訪ねてみてください。
文:岡野秀夫
写真:岡野秀夫/三浦暁子
図:パブリックドメイン
(2024.6.28)
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