日本語を勉強する人のための読みものサイト

沖縄(おきなわ)自然(しぜん)と地理

沖縄(おきなわ)は日本の一番(いちばん)南にあります。海がきれいで、(あたた)かいです。そのため、多くの人が沖縄(おきなわ)観光(かんこう)に行きます。沖縄(おきなわ)(ゆた)かな自然(しぜん)はどのようにしてできたのでしょうか。

人が(いし)道具(どうぐ)を使っていた(とお)い時代にすでに沖縄(おきなわ)には人が住んでいました。その中で一番(いちばん)古い人の(ほね)は36,000年前のものと言われています。沖縄(おきなわ)(けん)八重瀬町(やえせちょう)では、およそ20,000年前のほぼ完全(かんぜん)な人の(ほね)が発見されました。港川(みなとがわ)フィッシャー()ばれるところで見つかった人の(ほね)は、港川人(みなとがわじん)()ばれています。

港川(みなとがわ)フィッシャー

港川人(みなとがわじん)(さと)

沖縄(おきなわ)で古い人の(ほね)が見つかるのは、沖縄(おきなわ)の土地がアルカリ(せい)(alkaline)だからです。アルカリ(せい)の土は(ほね)保存(ほぞん)(てき)しています。そのため、古い(ほね)(のこ)っているのです。そして、沖縄(おきなわ)の土地がアルカリ(せい)なのは、沖縄(おきなわ)の海のサンゴと関係(かんけい)があります。沖縄(おきなわ)の島の多くはサンゴが()り上がってできた(しま)です。サンゴは長い年月で石灰岩(せっかいがん)()わります。石灰岩(せっかいがん)はアルカリ(せい)なので、沖縄(おきなわ)の土地はアルカリ(せい)になりました。

それではなぜ、沖縄(おきなわ)の海にサンゴが(そだ)つのでしょうか。サンゴは水がきれいで()んでいる海でしか生きられません。サンゴが共生(きょうせい)している褐虫藻(かっちゅうそう)という植物(しょくぶつ)から栄養(えいよう)をもらっているからです。海がきれいでないと太陽(たいよう)(ひかり)が海中に(とど)かず、光合成(こうごうせい)ができません。そのため、サンゴは栄養(えいよう)がもらえず死んでしまいます。沖縄(おきなわ)は海がきれいなのでサンゴがよく(そだ)ちました。

沖縄(おきなわ)の海のサンゴ

(つぎ)沖縄(おきなわ)の地図を見てください。沖縄(おきなわ)はユーラシア大陸(たいりく)のすぐ近くにありますね。大陸(たいりく)には多くの大きな川が(なが)れています。普通(ふつう)大陸(たいりく)の近くの(しま)は、川から(なが)れる土や(すな)影響(えいきょう)で、海はにごります。それなのに沖縄(おきなわ)の海がきれいなのは、沖縄(おきなわ)列島(れっとう)大陸(たいりく)の間に沖縄(おきなわ)トラフと()ばれる(ふか)い海があるからです。沖縄(おきなわ)トラフの長さは1,000キロ、(はば)200キロになり、一番(いちばん)(ふか)場所(ばしょ)水深(すいしん)2,200mもあります。この(ふか)い海に土や(すな)()ちて、沖縄(おきなわ)まで(なが)()んでこないのです。このため、沖縄(おきなわ)周囲(しゅうい)の海は()んで、きれいなのです。サンゴは魚や(かい)などの貴重(きちょう)()()になります。(むかし)から沖縄(おきなわ)の人たちはサンゴにいる魚や(かい)を食べて生活(せいかつ)をしてきました。港川人(みなとがわじん)たちも、きっとそうして生きてきたのでしょう。

沖縄(おきなわ)トラフがあるので沖縄(おきなわ)の海がきれいになったことはわかりました。では、沖縄(おきなわ)トラフはどのようにしてできたのでしょうか?

地球(ちきゅう)表面(ひょうめん)何枚(なんまい)かのプレートと()ばれるものによっておおわれています。そして、そのプレートは毎年少しずつ動いています。沖縄(おきなわ)では、ユーラシアプレートと()ばれるプレートにフィリピン海プレートという別のプレートが(もぐ)()んでいます。この2つのプレートのぶつかり()いによって沖縄(おきなわ)トラフはできました。

地球(ちきゅう)上のプレート

沖縄(おきなわ)トラフのおかげで沖縄(おきなわ)のきれいな海ができたのですが、()いことばかりではありません。プレートのぶつかるところでは地震(じしん)が起きます。1771年4月24日に沖縄(おきなわ)八重山(やえやま)列島(れっとう)近海で地震(じしん)が起きました。地震(じしん)自体はそれほど大きくなかったのですが、その後、30mを()える大津波(おおつなみ)が、八重山(やえやま)列島(れっとう)宮古島(みやこじま)などに()()せました。(やく)11,000人の人たちが()くなったり、行方不明になったと言われています。これらの島々(しまじま)では、その大津波(おおつなみ)によって()ち上げられた大きな(いわ)現在(げんざい)でも海岸(かいがん)などに(のこ)っています。その後の(やく)250年間、沖縄(おきなわ)でこのような大きな津波(つなみ)は起きていません。しかし、また、いつこのような災害(さいがい)が起こるか、(だれ)にも分かりません。

大津波(おおつなみ)によって()ち上げられた(いわ)

日本にはこの2つのプレートのほかに太平洋(たいへいよう)プレート、北米(ほくべい)プレートと()ばれる4つのプレートがあります。プレートの境界(きょうかい)では、大きな地震(じしん)が起こる可能性(かのうせい)があります。ちなみに、2011年3月11日に発生した東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)は、北米(ほくべい)プレートと太平洋(たいへいよう)プレートがぶつかりあう場所(ばしょ)震源(しんげん)になっています。地震(じしん)規模(きぼ)はマグニチュード(M)という単位(たんい)(あらわ)します。東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)はM9.0という巨大(きょだい)なものでした。同じような場所(ばしょ)でのとても大きな地震(じしん)は、M8.3 以上と推定(すいてい)されている869年の貞観(じょうがん)地震(じしん)以来で、(じつ)に1,142年ぶりのものでした。プレートの境界(きょうかい)(めん)で起こるこれほどの地震(じしん)は、このようにそれほど頻繁(ひんぱん)には起こりません。しかし、このような地震(じしん)もいつどこで起こるか、正確(せいかく)なことはわかりません。地震(じしん)は、プレートの境界(きょうかい)以外でも断層(だんそう)と言われる地層(ちそう)岩盤(がんばん)に生じた()れ目に沿()って両側(りょうがわ)がずれている箇所(かしょ)で起こるものや火山活動(かつどう)によって()き起こされるものもあります。

4つのプレートの境界(きょうかい)にある日本は、そのおかげで、沖縄(おきなわ)のきれいな海とか、温泉(おんせん)などに(めぐ)まれています。しかし、反対(はんたい)地震(じしん)火山の噴火(ふんか)などの自然(しぜん)災害(さいがい)が起こることもあります。ですから、日本の自然(しぜん)について正確(せいかく)なことを知り、(そな)えることが大切です。そのうえで、日本の自然(しぜん)を楽しめたら()いですね。

沖縄(おきなわ)にはたくさんの(しま)があります。どこもとてもきれいな海に(かこ)まれた(うつく)しい島々(しまじま)です。(みな)さんも、是非(ぜひ)、一度(たず)ねてみてください。

文:岡野秀夫

写真:岡野秀夫/三浦暁子

図:パブリックドメイン

(2024.6.28)

You cannot copy content of this page

ja日本語