和室
洋室
ただ最近は日本の家でも、床が畳ではなく、木の板(フローリング)やじゅうたんを敷いた「洋室」が増えています。外国から来た皆さんにとって、和室はめずらしく、これまで泊まったことがない人がほとんどだと思いますが、洋室は自分の国でも住んでいた人が多いでしょう。日本の温泉でも、最近は外国人の観光客が増えているため、和室の旅館だけではなく、洋室が中心の「温泉ホテル」が多くなりました。今回は温泉ホテルとはどんなところなのかを、簡単に紹介します。
温泉ホテルの建物
上の写真は、2か所の温泉ホテルを外から見た風景です。まるで高さの高いマンションや、外国で見かけるおしゃれな建物のようですね。ちょっと見ただけでは、なかなか温泉とはわからないでしょう。左の温泉は、ゴルフ場の中にあり、右の温泉は遊園地のとなりにあります。日本では、ゴルフや登山、スキーなどといっしょに温泉を楽しむ人が多いので、このような場所の近くにある温泉ホテルが人気なのです。
ゴルフ場
ロープウェイ
温泉ホテルの部屋
さっそく、温泉ホテルの部屋をみてみましょう。
左上の写真は、じゅうたんの上にベッドが置かれた洋室です。ただ部屋の奥を見てください。床が畳になっていますね。これは洋室の中に、一部だけ和室の空間を入れた「和洋室」という部屋です。この部屋なら、和室と洋室の両方を体験することができます。また右上の写真のように、床は畳ですが、布団の代わりにベッドを入れている部屋もあります。
温泉ホテルに置いてある備品
浴衣
温泉ホテルでは普通のホテルと同じように、お湯を沸かして飲む道具、ティッシュペーパー、温泉に入る前と後で着る「浴衣」、タオルなどが部屋や廊下に置いてあり、自由に使うことができます。
温泉ホテルは食事にも特色があります。昔からある和風の旅館では、日本式の「和食」が多いですが、ホテルの場合、場所によって出る料理はいろいろです。和食の中でも牛肉・豚肉の「しゃぶしゃぶ」によるメニューや、フランス料理などの洋食が出るところがあります。当日の料理は、宿泊する人がホテルを予約するとき、最初に選ぶことが多いです。最近はホテルがいろいろな種類の料理を準備し、行ってから会場で自分の好きなものを選ぶ「バイキング」も増えています。
和風の朝食
しゃぶしゃぶ
フランス料理の前菜
食事会場
次に、温泉をみてみましょう。まわりを自然に囲まれている場所では、露天風呂に入りながら、まわりの景色やライトアップを楽しむことができます。
露天風呂
室内の風呂
温泉ホテルの中には、普通の温泉のほかに、サウナや洞窟風呂など、少しめずらしい風呂を体験できるところもあります。サウナは、温度を高くした部屋の中で体をあたためて、汗を出す「蒸し風呂」です。また洞窟風呂では、洞窟の中にあるお湯に入ることができます。洞窟とは、自然にできたか、または人がつくった穴のことです。
サウナ
洞窟風呂
また大きな温泉ホテルでは、温泉や食事のほかに、買い物を楽しむこともできます。土地の名物や、観光地の記念品、地元で植えた果物や野菜、子供のおもちゃも売っていることがあるので、おみやげを買いたい人には便利です。
ホテル内の売店
日本の温泉ホテルの中には、電車やバスで来る人のために、「送迎サービス」をおこなっているところがあります。「送迎」とは来るときに「迎え」、帰るときに「送る」という意味で、行きと帰りの両方とも、ホテルの人が、ホテルの近くにある電車の駅まで無料で車を出してくれるサービスです。外国から来た人は日本で車を運転しない人が多いので、日本の温泉を予約するときには、宿泊するホテルに「送迎サービス」があるかどうか、最初に聞いてみると良いでしょう。
送迎サービスの車
旅行の前に泊まる場所を予約するときには、いつも期待でワクワクしますね。日本の温泉に泊まる場合、日本のふんいきが味わえる和風の旅館も良いですが、温泉ホテルは、外国から来たみなさんが、自分の国を旅行するのと同じ感覚で泊まることができ、また部屋や料理にはいろいろなプランがあるので、おすすめです。次の旅行には、温泉ホテルでの宿泊を計画してみませんか?
文:白石誠
写真:白石誠
(2023.6.16)
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