生活の中の竹
ここは静かな竹林。
やさしい風が吹いて、とても気持ちがいい場所です。
ところで、日本では生活の中に「竹」がたくさんあるのを知っていますか?
これから一緒に、いろいろな「竹」を見てみましょう。

竹の箒
これは竹の箒です。
竹の小枝を切り、それをまとめて作ります。
庭や道路の落ち葉を掃くときなどに便利です。

簾
こちらは簾です。
夏、家の玄関の前に置いたり、窓の前にかけたりします。
簾があると、日の光が入らないので涼しいし、窓を開けていても虫があまり入ってきません。
また、外から家の中が見えにくくなる効果もあります。

笊
野菜の下にあるのは、笊です。
笊には小さい穴があるので、水が下に落ちます。
だから、野菜や果物を洗うときなどに便利です。
冷たいそばやうどんを食べるときは、皿にもなります。

竹の皮
竹の皮は、おにぎりを包んだり、料理を作ったりするときに使われてきました。
竹の皮を使うと、中の食べ物がくさりにくくなるそうです。
また、丈夫なので、洗って乾かせば何度も使うことができます。

左上:扇子、左下:提灯、右上:団扇、右下:傘
竹は丈夫なだけではなく、柔らかくて曲げやすい材料です。
そのため、昔から扇子、提灯、団扇、傘などの材料としても使われています。

竹とんぼ
遊びの中にも竹が使われてきました。
竹とんぼは、手で回すとヘリコプターのように空を飛ぶおもちゃです。
今は簡単に買えますが、昔は自分たちで作っていました。

竹馬
これは竹馬です。
竹馬に乗って上手に歩くのは簡単ではなく、何度も練習しなければなりません。
でも、乗れると楽しいですよ。

竹刀
スポーツでも竹が使われています。
剣道で使う竹刀も、名前の通り、竹でできています。
昔は木で作った木刀が使われていましたが、だんだん、軽くて柔らかい竹が使われるようになりました。
でも、痛いですよ。

尺八
竹を使った楽器もたくさんあります。
尺八もその一つです。竹に穴を開けただけですが、とてもきれいな音が出ます。

竹灯篭
お祭りや行事の中にも、竹で作ったものがあります。
竹灯篭は、切った竹の中に火や電気を入れたものです。
優しい光を見ていると、心が落ち着いて、不思議な気持ちになります。

門松
正月に、門の前や玄関に飾る門松にも、竹が使われています。
門松は、新しい年に神様を迎えるための飾りです。
門松を飾ると、その中に神様が入り、幸せになれると言われています。

竹のマウスとキーボード
このように、日本の生活の中にはたくさんの「竹」があります。
最近では、腕時計やスマートフォンケース、マウスやキーボードにも竹が使われ始めました。
これからも竹を使って、どんどん新しいものが作られていくでしょう。
ぜひ日本で、いろいろな「竹」を探してみてください。
畑野栄三『竹細工』 文溪堂