日本語多読道場 yomujp
明石焼 ( あかしや ) き
<明石焼(あかしや)きの作り方>
自分の家で明石焼(あかしや)きを作る人もいます。知(し)り合(あ)いに作り方を教えてもらいました。
材料(ざいりょう)(4人分)
ゆでたタコ・適量(てきりょう)(ちょうどいい量(りょう))
卵(たまご)・3個(こ)
だし汁(じる)(魚やこんぶなどのスープ)・2カップ
明石焼(あかしや)きの粉(こな)・120gまたは、小麦粉(こむぎこ)・60gと、じん粉(こ)(小麦粉(こむぎこ)のでんぷんを精製(せいせい)したもの)・60g
うすくち醤油(しょうゆ)・適量(てきりょう)(ちょうどいい量(りょう))
作り方
①タコを小さく切ります。
②明石焼(あかしや)きの粉(こな)(あるいは、小麦粉(こむぎこ)とじん粉(こ))をふるいにかけ、だし汁(じる)で溶(と)いておきます。ホットケーキを作るときと同じように混(ま)ぜます。
③卵(たまご)を溶(と)き、②に加(くわ)えます。
④熱(ねっ)した鉄板(てっぱん)に③を注(そそ)ぎ、そこへタコを1個(こ)ずつ入れます。
⑤形(かたち)を丸(まる)くしながら、ピック(とがった道具(どうぐ))を使い、ひっくり返(かえ)し、ふっくらと焼(や)き上(あ)げます。
⑥つけ汁(じる)(だし汁(じる)にカツオ・うすくち醤油(しょうゆ)を加(くわ)えて煮(に)たもの)につけながら、いただきます。
明石焼(あかしや)き用の鉄板(てっぱん)は普通(ふつう)の家庭(かてい)にはないと思います。けれども、たこ焼(や)きの鉄板(てっぱん)を使えば、大丈夫(だいじょうぶ)です。オンラインショッピングで買うこともできます。
みんなで集まったときなど、明石焼(あかしや)きを作りながらおしゃべりをしたら、楽しいですよ。
鉄板(てっぱん)で明石焼(あかしや)きを焼(や)く
明石焼(あかしや)きができた理由(りゆう)
明石焼(あかしや)きをはじめて食べたとき、「どうしてこんなにやわらかいのだろう」と、不思議(ふしぎ)に思いました。それは、じん粉(こ)が加熱(かねつ)してもかたくならないためだと、教えてもらいました。卵(たまご)の黄身(きみ)がたくさん入っていることも、その理由(りゆう)だそうです。今回(こんかい)、この記事(きじ)を書くために、私は明石観光協会(あかしかんこうきょうかい)に行き、明石焼(あかしや)きについて勉強しました。明石焼(あかしや)きの誕生(たんじょう)には、驚(おどろ)くような秘密(ひみつ)があったのです。150年ぐらい前、明石(あかし)では「明石玉(あかしだま)」と呼(よ)ばれる製品(せいひん)が作られていました。「明石玉(あかしだま)」は食べ物ではありません。本物(ほんもの)そっくりに作られたサンゴのことです。本物(ほんもの)のサンゴはとても高価(こうか)なため、お金持ちしか買うことができません。それでも、女性(じょせい)たちはサンゴで自分を美(うつく)しく飾(かざ)りたいと願(ねが)います。そこで、ある人が、硝石(しょうせき)という名の石を割(わ)って、その粉(こな)を卵(たまご)の白身(しろみ)でかため、サンゴのようなものを作り、「明石玉(あかしだま)」という名前で売ったそうです。すると、人気商品(にんきしょうひん)となり、髪(かみ)を飾(かざ)るための装飾品(そうしょくひん)・かんざしとして使われるようになりました。「明石玉(あかしだま)」を製造(せいぞう)するときは、卵(たまご)の白身(しろみ)だけを使うので、大量(たいりょう)に黄身(きみ)が残(のこ)ってしまいます。そこで残(のこ)った卵(たまご)の黄身(きみ)と小麦粉(こむぎこ)などを混(ま)ぜ、その中に、明石(あかし)でたくさんとれるタコを入れ、丸(まる)く焼(や)いてみました。それが明石焼(あかしや)きのはじまりとされています。
文 :三浦暁子
写真:Yoshiko Jo
(2021.9.1)