武満徹 作曲家(1930年-1996年)
伝統的な楽器・新しい音楽
皆さんは、Jポップや日本のロックを聞きますか。では、日本の伝統的な音楽はどうでしょうか。日本の伝統的な音楽は西洋音楽と違うところがいくつかあります。大きい違いは、日本の伝統的な音楽にはリズムがあまりないことやハーモニーがないことなどです。最近は、日本の学校教育では西洋音楽が中心で、日本人でも日本の伝統的な音楽より西洋音楽を身近に感じるようになりました。
現代音楽は伝統的なクラシック音楽を発展させ、作られました。その現代音楽の作曲家として世界的に有名な日本人に武満徹がいます。武満は子供の時から家族が演奏する尺八や箏を聞いて育ちました。
尺八
琴
そのため、武満が作った曲は現代音楽ですが、日本の伝統的な音楽の影響も受けています。しかし、武満が一番感動した音楽は、中学生の時に聞いたシャンソンで、その他にも、ドビュッシーなど近代の西洋音楽やジャズにも影響を受けたと言っています。また、音楽の学校に行ったり、ヨーロッパに留学したりせず、ほぼ独学で作曲について勉強したというのが、他の作曲家とは大きく違います。
武満はクラシックの作曲家としてデビューしましたが、映画やテレビの音楽も作っていました。その中で、武満は、クラシックでは使われない楽器を使うなど、実験を繰り返し、やがて、クラシックでも和楽器を使うようになりました。その音楽を聞いた世界的指揮者のバーンスタインが武満に作曲を依頼しました。そして、1967年にニューヨークで初めて演奏された『ノヴェンバー・ステップス』は、聞いている人達から高い評価を受け、これをきっかけにして、武満は世界的に活躍するようになりました。
琵琶
尺八
この曲の特徴は、琵琶と尺八という和楽器とオーケストラを合わせたことです。武満の他にも和楽器を使って西洋音楽を作った作曲家はいましたが、その作曲家たちは和楽器を使い、西洋音楽のリズムやハーモニーに合わせて演奏させただけでした。しかし、武満は和楽器の伝統的な演奏方法は変えないで、西洋音楽と合わせ、新しい音楽を作りました。