国枝慎吾 プロ車いすテニス選手(1984年-)
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国枝は9歳の時、病気のせいで腰から下が動かなくなってしまい、車いすでの生活をしなければならなくなった。母親に車いすテニスをしたらどうかと言われ、11歳の時に車いすテニスを始めた。最初は車いすテニスよりもバスケットボールのほうが好きで、障害のない友達と一緒にバスケットボールをして楽しんでいたそうだ。その時の車いすの動かし方が、現在の国枝の基礎となっている。高校の時、オランダで車いすテニスの試合をする機会があり、プロの車いすテニス選手がいることを知り、車いすテニスに対する考えが変わった。けれど、世界とのレベルの差を強く感じ、日本に帰国してから本格的に競技レベルの車いすテニスの指導を受けるようになる。
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世界ですでに活躍していた国枝だが、2006年1月の全豪オープンテニスの時にアン・クインというメンタルトレーナーに出会い、自分が世界一になれると思うかと聞かれた。その時、国枝はもちろんなりたいと答えたが、クインになりたいではなく、自分が世界一だと言えるくらいの練習と、毎日「自分が一番強いんだ」と叫ぶことが大切だと教えられる。クインに言われた通りにしているうちに、弱気になりがちな自分が消えていくのが分かった。そして、クインのアドバイスのおかげで、国枝はその年の5月の世界ランクで1位になる。