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米は小麦、トウモロコシと並んで、世界の三大(さんだい)穀物(こくもつ)の一つです。世界の米の約9(わり)はアジアで生産され、消費されています。 生産量は中国が一位で、二位はインドです。

米はイネという植物の収穫物(しゅうかくぶつ)で、インディカ種とジャポニカ種に大別(たいべつ)されます。インディカ種の米は粒が細長く(長粒種(ちょうりゅうしゅ))、()いたときに(ねば)()がなくパラパラになるので、他の具材と一緒に混ぜて食べる料理に使います。東南アジアやインド料理によく使われます。これに対して、ジャポニカ種の米は(つぶ)が短く(短粒種(たんりゅうしゅ))、飯には(ねば)り気を感じます。日本では「(しろ)(はん)」と呼んで、白米(はくまい)()いた白飯(しろめし)を他の料理と一緒に口に入れて口中(こうちゅう)調味(ちょうみ)(味の変化を口の中で楽しむ食べ方)して食べる習慣があります。

米の種類をうるち(まい)ともち(ごめ)に分ける分類もあります。インディカ種にもジャポニカ種にもそれぞれうるち米ともち米があります。日本ではジャポニカ種のうるち米のイネを、水をはった水田(すいでん)栽培(さいばい)します。水田での稲作(いなさく)連作(れんさく)障害(しょうがい)が起こりづらいので、日本では毎年同じ水田でイネを()(かえ)し育てる風景が見られます。うるち米の品種(ひんしゅ)には「コシヒカリ」、「あきたこまち」、「ひとめぼれ」などの銘柄(めいがら)があります。この中で、一番人気があるのは「コシヒカリ」という品種で、日本で栽培されているイネの約三分の一に当たります。もち米は(もち)を作るためのイネです。また、日本酒を作るための酒造米(しゅぞうまい)と呼ばれる違った種類のイネも栽培されています。
日本の米は()くとつやが出て、食感がふっくらと柔らかく(ねば)りがあり、よく()むと甘味(あまみ)が増します。また、冷めても味が変わらないので、おにぎり、寿司(すし)弁当(べんとう)などにしてもおいしく食べられます。米は日本人にとって、文字どおり主食(しゅしょく)で、米を()いたご(はん)と一緒に食べる料理を「おかず」と呼びます。日本人は白いご飯と相性(あいしょう)の良いおかずに出会うと、「これはご飯がすすみますね。」と言って()めたりします。和食には「一汁(いちじゅう)三菜(さんさい)」という言葉がありますが、これはご飯を中心にして、(しる)が一つとおかずが三つという意味で、米をいかに食べるかという考えを反映していると言えます。

一汁(いちじゅう)三菜(さんさい)

公開:2022.4.19

————- 続きは本書をご覧ください。

『めしあがれ—食文化で学ぶ上級日本語』

畑佐一味/福留奈美[著]

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