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(くさ)かんむりの漢字

春の野原(のはら)()えるさまざまな「草花(くさばな)」、きれいですよね。「()(はな)」の黄色(きいろ)い花や「蓮華草(れんげそう)」の(あか)(むらさき)色もきれいです。

春の終わりに()く「薔薇(ばら)」は、とても(むずか)しい漢字です。「薔」は、中国語で垣根(かきね)という意味で「薇」は、風にそよぐ、という意味だそうです。なので、薔薇(ばら)垣根(かきね)で風にそよいでいる花、という意味になります。

これらの漢字には、「(くさ)かんむり 艹」という部首(ぶしゅ)が使われています。地面(じめん)から(くさ)()えてきたような(かたち)ですね。この部首(ぶしゅ)は、草花(くさばな)関係(かんけい)する漢字に使われています。

まず、草花(くさばな)(たね)()えると、「()」が出てきます。(つぎ)に「(なえ)」となって、成長(せいちょう)し、「(くき)」が(ふと)くなり「()」が()びてきます。そして「(つぼみ)」ができ、花が()きます。最後(さいご)に、花が「()ち」、()れていきます。

夏の草花(くさばな)を見てみましょう。代表的(だいひょうてき)なのは、「向日(ひまわり)」です。太陽(たいよう)方向(ほうこう)()かって()くので向日葵と書きます。6月ごろに()く「花菖蒲(はなしょうぶ)」は、花びらの中心が黄色(きいろ)です。また、「(すい)(れん)」の白い花もきれいです。

(きく)」や「(はぎ)」は、特に秋を代表(だいひょう)する草花(くさばな)です。また、秋には、「(まつ)(たけ)」や「(まい)(たけ)」などのキノコも収穫(しゅうかく)されます。

茶花(さざんか)」は日本原産(げんさん)植物(しょくぶつ)で、秋の終わりから冬に()きます。山に()えるお茶の木の花という意味で、日本でこの漢字が使われるようになりました。一方、「(タンポポ)」の漢字は中国から来ました。中国ではタンポポは「(くすり)」としても使われています。その薬が日本に伝わったときにその漢字も伝わり、それが日本でもタンポポの漢字として使われるようになったそうです。

最後(さいご)に、(ゆき)がとける(ころ)(かお)を出す「(ふき)のとう」は、私たちに春が来たことを知らせてくれる花です。

こうして、一年を(とお)して「(くさ)かんむり」の漢字の草花(くさばな)を見てきましたが、本当(ほんとう)にたくさんの草花(くさばな)があるんですね。

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文:Naoko Ikegami

画像:日本語の絵/イラストAC/写真AC

(2025.5.23)

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