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伊香保(いかほ)温泉(おんせん)②】

伊香保(いかほ)で世界と出会う旅を楽しもう!

伊香保いかほ温泉おんせんは、むかしから海外と関係かんけいふか場所ばしょです。まちの中には、外国でよく見るような建物や、外国人と交流こうりゅうした歴史れきしのこ場所ばしょが、たくさんあります。今回こんかい伊香保いかほで、世界と出会う旅をしてみましょう。

有名な伊香保(いかほ)石段(いしだん)から、歩いてすぐのところに、小さな公園(こうえん)があります。ここのお(にわ)はとてもきれいです。(とお)くには、(うつく)しい山の景色(けしき)をながめることもできます。

アルウィン公園(こうえん)

公園(こうえん)から見える景色(けしき)

この公園(こうえん)の名前は「アルウィン公園(こうえん)」です。公園(こうえん)は日本の風景(ふうけい)なのに、名前はカタカナなので、不思議(ふしぎ)に思う人もいるかもしれません。(じつ)はこの名前は、(むかし)伊香保(いかほ)に住んでいたアルウィンさんというアメリカ人からつけたものです。公園(こうえん)の近くには、アルウィンさんの住んでいた家が(のこ)っています。

ハワイ王国(おうこく)公使(こうし)別邸(べってい)

建物の外も、部屋(へや)の中も、日本のつくり(和風(わふう))になっていますね。ここの名前は「ハワイ王国(おうこく)公使(こうし)別邸(べってい)」です。ハワイは今、アメリカの(しゅう)ですが、125年前までは「ハワイ王国(おうこく)」という一つの国でした。「公使(こうし)」というのは、外国の政府(せいふ)代表(だいひょう)して、日本で仕事をしている人です。アルウィンさんはこのころ、ハワイ王国(おうこく)公使(こうし)でした。ふだんは東京に住んでいて、(あつ)い夏は、伊香保(いかほ)に来て()ごしていました。「別邸(べってい)」というのは、いつも住んでいるところのほかに、持っている家のことです。アルウィンさんは日本人の女性(じょせい)結婚(けっこん)し、日本とハワイの交流(こうりゅう)に力をつくしました。

伊香保(いかほ)には、(むかし)から、とても()温泉(おんせん)が出ています。この温泉(おんせん)を使って病気をなおすことを最初(さいしょ)に考えたのは、ドイツから来たベルツさんという医者でした。ベルツさんは伊香保(いかほ)温泉(おんせん)に来て、温泉(おんせん)を飲む方法(ほうほう)住民(じゅうみん)に教え、まわりに公園(こうえん)をつくって、環境(かんきょう)をきれいにしました。そして、伊香保(いかほ)での経験(けいけん)を、『日本(にほん)鉱泉論(こうせんろん)』という本に書きました。これは、日本で最初(さいしょ)の「温泉(おんせん)医学(いがく)」と言われています。

石段(いしだん)の上にある「伊香保(いかほ)露天風呂(ろてんぶろ)」の近くには、今でも、温泉(おんせん)の水を飲むことができる場所(ばしょ)飲泉所(いんせんじょ)」が(のこ)っていて、ベルツさんの銅像(どうぞう)も立っています。

飲泉所(いんせんじょ)

ベルツ

今度は、石段(いしだん)から少し(とお)くまで行ってみましょう。バスに()って10分ほど行くと、大きなお(てら)が見えてきます。

佛光山(ぶつこうさん)法水寺(ほうすいじ)

佛光山(ぶつこうさん)法水寺(ほうすいじ)」と書いてありますね。山の風景(ふうけい)がはっきり見え、まわりがとても広く(かん)じられます。中へ入ってみましょう。

(てら)の入り口からの階段(かいだん)

3体の仏像(ぶつぞう)

入口から長い階段(かいだん)を上ると、新しくて、きれいな建物が見えてきます。右の写真を見てください。仏像(ぶつぞう)の下に、漢字が書いてありますね。ここは、台湾(たいわん)釈星雲(しゃくせいうん)さんという人が5年前に建てたお(てら)で、もともと台湾(たいわん)にもあります。ではなぜ、日本の地方にある伊香保(いかほ)に、わざわざ新しいお(てら)を建てたのでしょうか。それは、伊香保(いかほ)温泉(おんせん)がある渋川市(しぶかわし)が、地図でみると、日本のまんなかにあるからだそうです。人間のからだで言うと、「おへそ」と同じです。渋川市(しぶかわし)には、「日本のまんなか渋川(しぶかわ)へそまつり」という、めずらしいおまつりもあります(映像(えいぞう)こちら)。

(てら)に入ると、大きくてきれいな仏像(ぶつぞう)があり、観光(かんこう)することができます。仏像(ぶつぞう)には、ミャンマーの(いし)が使われています。とてもやさしそうな表情(ひょうじょう)ですね。中には、お(きょう)を書く「写経(しゃきょう)」や、仏教(ぶっきょう)の「座禅(ざぜん)」を体験できる部屋(へや)のほか、台湾(たいわん)の料理とスイーツを楽しめるお店もあります。ここへ来ると、台湾(たいわん)を旅行しているような気分になりますよ。

放水寺(ほうすいじ)仏像(ぶつぞう)

まるで台湾(たいわん)のような空間

(てら)を出て、来た道をバスで(もど)りましょう。「伊香保(いかほ)温泉(おんせん)」というバス(てい)()り、近くにある(さか)を下っていくと、今度はヨーロッパのような風景(ふうけい)が見えてきます。

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ビッグベンのような建物

これは、みなさんがよく知っている建物に()ていませんか? そうです。イギリスのロンドンにある「ビッグベン(Big Ben)」にそっくりですね。「ぴのん」という旅館の建物です。実際(じっさい)にここのオーナーが、以前イギリスに留学(りゅうがく)したことがあって、建物の中も外も、ヨーロッパにいるようなつくりになっています。
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建物の入り口

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ヨーロッパ風の部屋(へや)

レストラン「夢見亭(ゆめみてい)」では、おいしい外国の料理を味わえます。フランス料理、中華(ちゅうか)料理、そしてその両方(りょうほう)()わせた「フュージョン(Fusion)料理」も(えら)ぶことができますよ。

レストランでは美味しい料理が楽しめる


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伊香保(いかほ)で世界と出会う旅、どうでしたか? 旅の最後(さいご)に、ポカポカの温泉(おんせん)に入って、体をあたためましょう!

文:白石誠

写真:白石誠

(2023.4.18)

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