日本語多読道場 yomujp
「学校」をどのように読んでいますか? たぶん「ガッコウ」でしょう。国語辞典(じてん)も「がっこう」の形(かたち)でのっています。
国語辞典(じてん)では「学校」は「がっこう」
漢和(かんわ)辞典(じてん)はどうでしょう。「学」の字を引(ひ)いてみると、音は「ガク」だけで、「ガッ」という読みはありません。では、「ガクコウ」と読ませているのかというと、そうではありません。「学」の字を使った例(れい)の中に、「学校」はちゃんとあると思います。そして、そこでは「ガッコウ」と読ませているはずです。ほかにも「学期」は「ガッキ」、「学級」は「ガッキュウ」と読ませています。でも、どうして「ガク」を「ガッ」と読むのか、特に説明(せつめい)はありません。
なぜ「ガク」を「ガッ」と読むのでしょうか。不思議(ふしぎ)に思っている人も多いかもしれませんね。
なぜ「学校」は「ガクコウ」ではない?
「ガク」のように二番(にばん)めの音が「ク」となるものは、そのあとに続(つづ)く漢字の音によって発音が変化(へんか)します。あとに続(つづ)く漢字とは、読みが「カキクケコ」ではじまる漢字です。そのような漢字が続(つづ)くと、小さい「ッ」で書かれる発音になります。
「学校」は、「学」のあとに続(つづ)く漢字は「校」です。この「校」という漢字は「コウ」と読むので、その前の「ガク」の「ク」が「ッ」に変化(へんか)します。それで「ガッコウ」になります。
「ニチキ」ではなく「ニッキ」
「ゲツコウ」ではなく「ゲッコウ」
日本語はことばとことばが続(つづ)くとき、発音しやすくするために、もとの音を変(か)えて発音することがあります。たとえば「花がさきて」は「花がさいて」と言います。「飛(と)びて」は「飛(と)んで」、「走りて」は「走って」、「ありがたく」は「ありがとう」と言います。
「ガクコウ」を「ガッコウ」というように、小さな「ッ」で書かれる発音になる語は増(ふ)えています。たとえば「洗濯機」は「センタクキ」ですが、「センタッキ」と言う人もいます。「旅客機」は「リョカクキ」ですが、「リョカッキ」という人がいます。
「センタクキ」? 「センタッキ」?
「リョカクキ」? 「リョカッキ」?
日本の辞典(じてん)は、日本語を勉強している外国の人たちには少し不親切だと書きました。辞典(じてん)では「センタッキ」「リョカッキ」でも引(ひ)けるようにしないといけないのです。
文:神永曉
写真:写真AC
(2022.12.23)