日本の行事(ぎょうじ)七夕(たなばた)

「7月7日の夜は雨が()らないといいね」。7月7日の七夕(たなばた)が近づくと、こんな話をすることがあります。どうしてでしょうか。七夕(たなばた)織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)が一年に一度会える日ですが、雨が降ると会えなくなってしまうからです。織姫(おりひめ)? 彦星(ひこぼし)? 雨が()ると会えない? 何のこと? と思った人もいるでしょうね。七夕(たなばた)について、まずは、織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)の話から読んでいきましょう。
中国の古い話です。(ぬの)()る、つまり(いと)(ぬの)を作るのが仕事の織姫(おりひめ)と、牛の世話(せわ)をするのが仕事の彦星(ひこぼし)がいました。二人は(はたら)(もの)でしたが、結婚すると、仕事をしなくなってしまいました。それを見て(おこ)った神様(かみさま)は、(あま)(がわ)で二人を()(はな)して会えなくしてしまいました。でも、二人があまりに(かな)しむので、神様(かみさま)はかわいそうだと思って、一年に一度(いちど)、7月7日の夜に(あま)(がわ)(わた)って会うことを(ゆる)した、というのが織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)の話です。雨が()ると会えなくなってしまうというのは、雨で(あま)(がわ)の水が()え、(わた)れなくなってしまうからだといいます。みんな、織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)が会えることを(のぞ)んでいるのですね。()たような話は世界のいくつかの国にあるようですが、みなさんの国ではどうでしょうか。

それからもう一つ、(むかし)の日本には、女性(じょせい)(ぬの)()って神様(かみさま)(そな)え、豊作(ほうさく)、つまり米や野菜などがたくさんとれるように(いの)行事(ぎょうじ)がありました。その時に使う、(ぬの)()道具(どうぐ)棚機(たなばた)といい、(ぬの)()るのに(えら)ばれた女性を棚機女(たなばため)といいました。この行事(ぎょうじ)と、中国から(つた)わった、織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)の話が(むす)びつき、時代(じだい)とともに(かたち)を変えて、今のような七夕(たなばた)という行事(ぎょうじ)変化(へんか)していったとされています。「七夕(たなばた)」を「たなばた」と読むのも、この棚機(たなばた)という読み方を、「七夕(たなばた)」の漢字にしたと言われています。

では、七夕(たなばた)には何をするのでしょうか。七夕(たなばた)の日には、短冊(たんざく)という細長(ほそなが)い紙に(ねが)(ごと)を書いて、(ささ)()(かざ)ります。(むかし)の中国には、織姫(おりひめ)のように上手に(ぬの)()れるようにと(ねが)行事(ぎょうじ)があって、それがもとになっているそうです。家や学校で(ささ)を用意して、短冊(たんざく)(ねが)(ごと)を書いて(かざ)ることが多いのですが、駅や図書館、スーパーなど、人が(あつ)まるところに(ささ)短冊(たんざく)が用意してあって、自由(じゆう)に書いて(かざ)れるところもあります。みなさんだったら、どんな(ねが)(ごと)を書きますか。

(ささ)()(かざ)るのも意味があります。(ささ)()は、食べ物を(くさ)らせたりする(きん)に強く、神様(かみさま)に食べ物を(そな)えるときなどにも使われる、大切なものでした。また、(ささ)は上にまっすぐ、力強(ちからづよ)()びることから縁起(えんぎ)のいい植物(しょくぶつ)とされているので、それも理由(りゆう)の一つのようです。

(つぎ)に、七夕(たなばた)にはどんなものを食べるのでしょうか。特に決まったものはありませんが、そうめんを食べることも多いようです。これも中国から入ってきた習慣(しゅうかん)変化(へんか)したもののようですが、(むかし)の中国では、七夕(たなばた)(さく)(べい)というお菓子(かし)神様(かみさま)(そな)えていたそうです。(さく)(べい)というのは、小麦粉(こむぎこ)(しお)と水を()ぜた生地(きじ)をねじって細長(ほそなが)(かたち)にしたもので、それが日本に(つた)わり、(かたち)変化(へんか)してそうめんを食べるようになっていったと言われています。また、そうめんが(ぬの)()(いと)()ているから、(ほか)には川の(なが)れのように見えるから、などという(せつ)もあるようです。

それから(ほし)(かたち)をしたものも(この)まれるようです。例えば、このカレーの上に乗っている、(みどり)野菜(やさい)はオクラといいますが、切った(めん)(ほし)(かたち)のように見えるでしょうか。それからケーキやゼリーなども星形(ほしがた)果物(くだもの)などを(かざ)ると子どもたちも(よろこ)びますね。(この)みのものを用意して、(ねが)いがかなうように(いの)りながら、楽しんでみましょう。織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)も来るかもしれませんよ。

最後(さいご)に、七夕(たなばた)まつりについて紹介(しょうかい)しましょう。全国(ぜんこく)各地(かくち)七夕祭(たなばたまつ)りが(おこな)われていますが、よく知られているのは、何といっても仙台(せんだい)七夕祭(たなばたまつ)りで、毎年、200万人以上(いじょう)の人が(おとず)れるといいます。仙台(せんだい)七夕祭(たなばたまつ)りは7月7日ではなく、8月6日~8日に(おこな)われます。今の8月7日が、旧暦(きゅうれき)という(むかし)のカレンダーの7月7日になるからです。見どころは豪華(ごうか)笹飾(ささかざ)り。仙台市(せんだいし)中心(ちゅうしん)商店街(しょうてんがい)をはじめとして、市内(しない)(やく)3000本の(ささ)(かざ)りが立てられ、人々(ひとびと)の目を楽しませてくれます。「七夕(たなばた)の七つ(かざ)り」というものがあって、いつでも(だれ)でも作れるように、七つ(かざ)りの「制作(せいさく)ガイドブック」と「制作(せいさく)実演(じつえん)ムービー」も配信(はいしん)されています。七夕祭(たなばたまつ)りに行く機会(きかい)がなくても、家で(かざ)りを作って楽しむこともできますね。それぞれの楽しみ方で、七夕(たなばた)の夜を()ごしてみませんか。

仙台(せんだい)七夕祭(たなばたまつ)

2022.6.10
文:新階由紀子
写真:写真AC
イラスト:イラストAC

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