水の都 大阪
「大阪」と聞いて、どんなものをイメージしますか。たこ焼きやお好み焼きなどの食べものでしょうか。大阪城や通天閣などの観光地でしょうか。お笑いや大阪弁などの文化でしょうか。大阪には有名なものがたくさんあります。大阪には約270万人の人が住んでいて、とても大きなまちです。そして、毎年多くの外国人も大阪を訪れています。そのような今の大阪のまちは、どのようにしてできたのでしょうか。
日本地図を見てください。大阪はどこにありますか。大阪のまわりには何がありますか。大阪の西には海がありますね。大阪湾です。九州や四国から、海を渡って船で大阪に行くことができます。大阪の北には淀川が流れています。この川は、滋賀の琵琶湖という日本一大きな湖から、京都を通って、大阪まで流れています。日本海のまちや京都から、この川を下って、大阪に行くことができます。さらに、大阪の南には大和川が流れています。奈良から大阪までこの川を下って、行くことができます。
このように、大阪は地理的にとても便利なところにありました。それが大きな理由となって、江戸時代の少し前から大阪は日本の商業の中心となりました。
現在の中之島のまわりには、たくさんの倉庫がありました。いろいろなまちから米や野菜、魚やこんぶが大阪に集まってきます。そして、その倉庫に入れられます。そこで、たくさんの品物の売買が行われていたのです。
当時の日本に車はありませんから、重い品物を運ぶのには船が便利です。それで、川と川をつないで、たくさんの船のための道をつくりました。それを「堀川」と言います。大阪の地名に「◯◯堀」というところが多いのは、この堀川の歴史があるからです。このように、川や海など「水」とともに発展した大阪は、「水の都」と呼ばれています。
そんな水の都を楽しむことができるリバークルーズがあります。おすすめのコースは、大阪城から出発して、難波まで船で行くコースです。大阪城にはたくさんの桜の木がありますが、春には船の中から桜を見ることができます。古い水門を通ったり、にぎやかな道頓堀のまちを通ったり、歩いているときには気がつかない大阪のまちが見られるでしょう。もうひとつのおすすめのコースは大阪城から中之島まで行って、また大阪城に戻るコースです。中之島の近くには、「大阪市中央公会堂」という建物や「淀屋橋」という橋など古い建築物がたくさん残っています。川の上から見る橋は、船に乗ったときにだけ見ることができる景色です。
大阪に来たら、ぜひこのリバークルーズで、水の都、大阪を感じてみてください。
文:新谷知佳
写真:岡野秀夫
(2021.3.10)