ごみの分別
2020年の日本のごみの量は約4,200万トンだったそうです。一人あたり1日約1kg(キログラム)です。みなさんの1日のごみの量はどうですか。これより多いでしょうか、少ないでしょうか。近年、世界中で、ごみは大きな問題になっています。地球の環境がどんどん悪くなっているからです。
日本では、集められたごみは、ごみ処理場で燃やすことが多いです。ただ燃やすのではありません。特別な技術が使われています。燃やすときの温度はとても高く、一酸化炭素や悪いガスはほとんど出ません。この技術があるから、ごみを燃やしても、空気が悪くなりません。
しかし、燃やしたらごみが消えてなくなるわけではありません。ごみが燃えると、灰になります。この灰は、山や海にある最終処分場というところに運ばれて、埋立地の一部になります。北海道のモエレ沼公園は、ごみを埋め立てた後に作られた公園です。東京湾にもごみが埋め立てられてできた土地がいくつかありますし、大阪湾にも夢洲という埋立地があります。夢洲の一部がごみの最終処分場になっています。海は広いですが、埋め立てられる場所には限りがあります。このまま、ごみをどんどん出し続けると、いつか埋め立てる場所がなくなってしまいます。
では、私たち一人ひとりは何ができるでしょうか。たとえば、ごみを分別することによって、リサイクル(recycle)やリユース(reuse)できるものがあります。分別とは、ごみの種類によって分けることです。ジュースの缶やペットボトルはリサイクルすることができます。コンビニのお弁当の容器やおかしの袋などのプラスチックもリサイクルすることができます。そして、いらなくなった服はリユースできます。これらのものを分別することによって、ごみが少し減りますね。
分別のルールは町によって違います。
大阪市の分別ルールを見てみましょう。大阪市では、普通ごみ、容器包装プラスチック、古紙・衣類、資源ごみの5つに分別します。曜日によって、出すごみが決まっています。たとえば、月曜日と木曜日は普通ごみ、火曜日は容器包装プラスチックと古紙・衣類、金曜日は資源ごみというように、それぞれの地域のルールがあります。ルールを確認するための、「さんあ〜る」というスマホ用のアプリもありますよ。
では、ごみを分別するときに、ごみのどこを見たらいいでしょうか。日本では、下の写真のように、商品のラベルには分別のためのマークが付いています。「プラ」はプラスチックのことです。そして、「PET」はペットボトル、「アルミ」はアルミ缶のことです。このほかに紙のマークもあります。これを見たらすぐに、どのごみをどの曜日に出したらいいかがわかりますね。
プラスチックごみはリサイクル工場に運ばれて、駐車場の車止めや、工場の燃料に生まれ変わります。空き缶や、ビンも同じように、工場で建築の材料や新しいビンになります。古紙はトイレットペーパーやコピー用紙になります。
トイレットペーパー
コピー 用紙
また、2020年から日本では、プラスチックの袋が有料となりました。スーパーやコンビニで、袋がどうしても必要なときは、買わなければなりません。エコバッグを使い、プラスチックのごみを減らすための取り組みです。
ごみを分別したり、エコバッグを使ったり、一人ひとりの小さな協力によって、未来の地球は変わります。今からできることを、積極的にやってみましょう。
文:新谷知佳
写真:新谷知佳/フォトAC
(2021.4.2)