かみなり

はげしい雨がふったときに、空に電気の光があらわれ、少しおくれてごろごろととても大きな音が聞こえてくることがあります。これを「かみなり」といいます。漢字で「雷」と書きます。
「かみなり」というのは、「神鳴り」という意味から生まれた語だと考えられています。むかしの日本人は、雲の上にいる神さまが大きな音をならしていると考えたのです。

かみなり
日本人が考えた「かみなり」の神さまは、とてもおもしろい神さまです。その姿は、上半身ははだかで、トラの皮のふんどしをしめています。「ふんどし」というのは男性が腰のまわりにつける一枚の布です。おすもうさんがつけている「まわし」も「ふんどし」ということがあります。そして背中には連鼓というたいこを背負い、これをたたいて鳴らします。「連鼓」はいくつかの小さなたいこをつなげたものです。「かみなり」のごろごろという音はこのたいこをたたく音だというわけです。

かみなりの神さま
そしてなぜか「かみなり」の神さまは人間のおへそがすきなのです。人間がおへそを出していると取りに来るといわれています。私もこどものころ、遠くでごろごろという「かみなり」の音が聞こえてくると、おとなから、おへそを取られるから早くかくしなさいと言われました。

屏風


目上の人からひどくどなりつけられてしかられることを「かみなりが落ちる」と言います。「授業中にいねむりをしたら先生のかみなりが落ちる」などと使います。日本人にとって、「かみなり」は自然の現象だけではないのです。
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文:神永曉
画像:写真AC/イラストAC
(2025.7.18)