《積みわら》
Wheatstacks, Snow Effect, Morning by Claude Monet
1891, J. Paul Getty Museum, Los Angels
この絵は、フランス人の画家クロード・モネ(1840〜1926)によって描かれた《積みわら》です。
クロード・モネ
Nadar, Public domain, via Wikimedia Commons
モネは1883年、ノルマンディー地方のジヴェルニーに引っ越しました。それ以来、亡くなるまでの40年ほどの間に描かれた作品の多くは、自宅から3キロメートル以内の風景を描いたものでした。
そして、一つのモチーフを異なる時間や季節で描く「連作」を描きはじめました。この《積みわら》も連作の一つです。
《積みわら 雪の効果、朝》
Wheatstacks, Snow Effect, Morning by Claude Monet
1891, J. Paul Getty Museum, Los Angels
モネは、1890年の夏から1891年の春にかけて25点の《積みわら》を描きました。「積みわら」とは、収穫が終わった畑に積まれた干し草の山です。モネは、時間、季節、天候で変化する光のもとで違って見える「積みわら」の表情を細かくとらえて、同じ視点から描き続けました。
《積みわら 夏の終わり》
Stack of Wheat, End of Summer by Claude Monet
1890/91, The Art Institute of Chicago
《積みわら 解氷、夕日》
Stack of Wheat, Thaw, Sunset by Claude Monet
1890/91, The Art Institute of Chicago
モネは86歳で亡くなりましたが、その生涯で2,000点以上の作品を描きました。彼は家の中ではなく、外で絵を描くことを好みました。そこで、モチーフ自体が持っている色ではなく、それが光によって変化する「印象」を絵に描き続けました。鋭い観察力と豊かな色彩感覚を持ったモネは、印象派の代表的な画家といえるでしょう。
文:Naoko Ikegami
画像:パブリックドメイン
(2024.9.17)