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高知県(こうちけん)

四国(しこく)の南にある高知県(こうちけん)は、太平洋(たいへいよう)(めん)している自然(しぜん)(ゆた)かな(けん)です。四国(しこく)には全部で4つの(けん)がありますが、高知県(こうちけん)はその中でも一番(いちばん)面積(めんせき)が大きく、自然(しぜん)(うつく)しさや歴史(れきし)文化(ぶんか)、食べものなどたくさんの魅力(みりょく)があります。

高知県(こうちけん)面積(めんせき)はおよそ7,100平方(へいほう)キロメートルあり、これは全国(ぜんこく)で18番目(ばんめ)の広さです。ただ、山や(もり)()める割合(わりあい)が多いため、人が住んでいる場所(ばしょ)(かぎ)られており、人口は(やく)65万人です。これは全国(ぜんこく)で45番目(ばんめ)の少なさです。

自然(しぜん)気候(きこう)

高知県(こうちけん)山地率(さんちりつ)が89%と、他県(たけん)(くら)べて非常(ひじょう)に高い割合(わりあい)()めています。これは全国(ぜんこく)平均(へいきん)の60%台を大きく上回(うわまわ)数値(すうち)です。そのため、「山の国」と()ばれることもあります。

そんな山々から()き出した水は、川となって(けん)南側(みなみがわ)位置(いち)する太平洋(たいへいよう)(なが)れていきます。多くの川がある高知県(こうちけん)ですが、特に日本屈指(くっし)清流(せいりゅう)と言われる仁淀川(によどがわ)四万十川(しまんとがわ)では、川下りやカヌー、キャンプなど自然(しぜん)とふれあう体験が人気です。

海もとてもきれいで海水浴(かいすいよく)や海の(さち)を楽しむことができます。

高知県(こうちけん)はこのように山、川、海と(ゆた)かな自然(しぜん)(めぐ)まれた(けん)なのです。

日本有数(ゆうすう)清流(せいりゅう)である仁淀川(によどがわ)(左)と四万十川(しまんとがわ)(右)

観光名所(かんこうめいしょ)

高知(こうち)(じょう)

高知(こうち)()の中心にある高知(こうち)(じょう)江戸(えど)時代に建てられたお(しろ)で、天守(てんしゅ)本丸(ほんまる)御殿(ごてん)が今も(のこ)っているすごいお(しろ)です。お(しろ)の中を見学することができ、(むかし)の人々のくらしを知ることができます。このように建てられたままの天守(てんしゅ)(のこ)っているお(しろ)を「現存(げんそん)12天守(てんしゅ)」と言います。

江戸(えど)時代の天守(てんしゅ)本丸(ほんまる)御殿(ごてん)(のこ)貴重(きちょう)なお(しろ)

桂浜(かつらはま)

太平洋(たいへいよう)(めん)したきれいな海岸(かいがん)で、白い砂浜(すなはま)と青い海の景色(けしき)がすばらしい場所(ばしょ)です。ここには江戸(えど)時代末期(まっき)活躍(かつやく)した維新志士(いしんしし)坂本龍馬(さかもとりょうま)の大きな銅像(どうぞう)が建てられています。また、月の名所(めいしょ)としても有名です。

太平洋(たいへいよう)のはるか()こうの外国に思いをはせるかのような坂本龍馬(さかもとりょうま)(ぞう)

ひろめ市場(いちば)

高知(こうち)()にある地元の食べものやおみやげが集まるにぎやかな市場(いちば)です。かつおのたたきや、ゆずを使った料理など高知(こうち)特産品(とくさんひん)の味が楽しめます。お店で買ったものを自由(じゆう)に使えるテーブル(せき)で持ち()って食べるスタイルなので、様々(さまざま)なお店の味を食べ歩き感覚(かんかく)で楽しむのにうってつけです。

地元の名産(めいさん)を食べるのにおすすめなひろめ市場(いちば)

名物・特産品(とくさんひん)

かつおのたたき

高知県(こうちけん)代表(だいひょう)する食べものといえば「かつおのたたき」です。新鮮(しんせん)なかつおの表面(ひょうめん)藁焼(わらや)きの火で豪快(ごうかい)にあぶってから、高知(こうち)特産(とくさん)のゆずから作るポン()やニンニク、ネギなどの薬味(やくみ)一緒(いっしょ)に食べます。藁焼(わらや)きの(こう)ばしい(かお)りとポン()のさっぱりした味が人気です。

(わら)()やした強い火力で豪快(ごうかい)にあぶって作るかつおのたたき

文旦(ぶんたん)

高知(こうち)果物(くだもの)も有名で特に「文旦(ぶんたん)」という大きな柑橘類(かんきつるい)が人気です。1()300〜600gほどもある大きな果物(くだもの)ですが、(あま)さとすっぱさのバランスがよく、さわやかな風味が特徴(とくちょう)です。高知県(こうちけん)は日本一の文旦(ぶんたん)産地(さんち)で、特に「土佐(とさ)文旦(ぶんたん)」という種類(しゅるい)が有名です。

(あま)みと酸味(さんみ)のバランスが絶妙(ぜつみょう)土佐(とさ)文旦(ぶんたん)

ゆず

高知県(こうちけん)はゆずの生産量(せいさんりょう)が日本一です。全国(ぜんこく)(やく)5(わり)のゆずが高知県(こうちけん)で作られていると言われています。特に北川村(きたがわむら)馬路村(うまじむら)などが有名な産地(さんち)です。この地域(ちいき)は水や空気がきれいで、昼と夜の気温差(きおんさ)が大きいため、ゆず作りに(てき)しています。

ゆずを使ったジュースやシャーベット、ポン()などいろいろな商品(しょうひん)が作られ、販売(はんばい)されています。

料理の味を()き立てる(かげ)のMVP・ゆず

土佐(とさ)(さけ)

高知県(こうちけん)は水がきれいなため、お(さけ)(=日本酒(にほんしゅ))作りにも()いています。「土佐(とさ)(ざけ)」と()ばれ、県内(けんない)には19の酒蔵(さかぐら)があり、それぞれに特徴(とくちょう)あるお(さけ)を作っています。先に紹介(しょうかい)したかつおのたたきとの相性(あいしょう)()辛口(からくち)のお(さけ)が多い傾向(けいこう)があります。もちろん、お(さけ)は大人だけの楽しみです!

歴史(れきし)

高知県(こうちけん)には古くから人が住んでおり、弥生時代(やよいじだい)遺跡(いせき)としては南国市(なんこくし)田村(たむら)遺跡(いせき)(ぐん)香南市(こうなんし)高田(たかだ)遺跡(いせき)があるようです。

また高知県(こうちけん)歴史(れきし)上で特に有名なのが、坂本龍馬(さかもとりょうま)です。(かれ)江戸(えど)時代の終わりごろに、海外に開かれた日本を作るために力を()くした人物で、明治維新(めいじいしん)立役者(たてやくしゃ)として知られています。

高知県(こうちけん)では今でも坂本龍馬(さかもとりょうま)の人気が高く、「坂本龍馬(さかもとりょうま)記念館(きねんかん)」などゆかりの場所(ばしょ)がたくさんあります。

坂本龍馬(さかもとりょうま)の生涯を知ることができる記念館(きねんかん)も人気スポットです

人と文化(ぶんか)

高知県(こうちけん)の人たちは元気で明るく、お(まつ)りやイベントが()きで、夏に行われる「よさこい(まつ)」はとてもにぎやかで、(おど)りや音楽で街中(まちじゅう)が明るくなります。

よさこい(まつ)りは1954年8月に始まったもので、(やく)200のチーム、18,000人の(おど)り手が参加(さんか)するエネルギッシュな夏のイベントです。鳴子(なるこ)という道具(どうぐ)を手にして(おど)ります。

このよさこい(まつ)りを起源(きげん)にして、今では北海道(ほっかいどう)札幌市(さっぽろし)の「YOSAKOIソーラン(まつ)」や愛知県(あいちけん)名古屋市(なごやし)の「にっぽんど真ん中(まつ)」など全国(ぜんこく)に広がり、各地(かくち)でよさこいのイベントが開かれています。

(みな)さんもぜひ高知県(こうちけん)(おとず)れて、その魅力(みりょく)()れてみてください。

夏の風物詩(ふうぶつし)・よさこい(まつ)り。炎天下(えんてんか)にも(かか)わらず多くの参加者(さんかしゃ)が集まります

文:鈴木大
写真:素材ライブラリー/photoAC/Adobe Stock/高知県立坂本龍馬記念館

(2025.11.25)

 

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