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福島県(ふくしまけん)

福島県(ふくしまけん)は、日本の東北地方にある(けん)で、東側(ひがしがわ)太平洋(たいへいよう)(めん)しており、北は宮城県(みやぎけん)山形県(やまがたけん)、南は茨城県(いばらきけん)栃木県(とちぎけん)群馬県(ぐんまけん)(せっ)しています。

面積(めんせき)(やく)13,784平方(へいほう)キロメートルで、全国(ぜんこく)で3番目(ばんめ)に広い(けん)です。一方、人口は全国(ぜんこく)では20番目(ばんめ)に多く、およそ175万人が住んでいます。

福島県(ふくしまけん)は大きく3つの地域(ちいき)に分かれています。「会津(あいづ)」「中通(なかどお)り」「浜通(はまどお)り」の3つです。それぞれの地域(ちいき)にはちがった自然(しぜん)文化(ぶんか)があります。

それぞれの地域(ちいき)特徴(とくちょう)

会津(あいづ)

福島県(ふくしまけん)西側(にしがわ)位置(いち)し、主な都市(とし)会津(あいづ)若松市(わかまつし)喜多方市(きたかたし)などです。以下の特徴(とくちょう)()げられます。

  • ●山にかこまれた内陸(ないりく)地域(ちいき)で、自然(しぜん)がとても(ゆた)かです。
  • ●冬は(ゆき)がたくさんふるので、スキー場が多くあります。
  • ●食べ物では「喜多方(きたかた)ラーメン」や「会津(あいづ)馬刺(ばさ)し」が人気です。
  • 伝統工芸(でんとうこうげい)では「会津塗(あいづぬり)」や「赤べこ」が有名です。

中通(なかどお)

福島県(ふくしまけん)の中心あたりに位置(いち)し、主な都市(とし)福島市(ふくしまし)郡山市(こおりやまし)白河市(しらかわし)などがあります。以下のような特徴(とくちょう)がある地域(ちいき)です。

  • 福島県(ふくしまけん)の中心を南北に走る(たい)らな地形(ちけい)で、交通(こうつう)商業(しょうぎょう)の中心地です。
  • 郡山市(こおりやまし)は「東北のウィーン」ともよばれる音楽のまちで、音楽イベントも多いです。
  • 農業(のうぎょう)がさかんで、果物(くだもの)野菜(やさい)がたくさん作られています。特に「(もも)」が有名です。
  • 鉄道(てつどう)高速道路(こうそくどうろ)が通っているので、(けん)内外(ないがい)のアクセスも良好(りょうこう)です。

浜通(はまどお)

福島県(ふくしまけん)東側(ひがしがわ)太平洋(たいへいよう)(めん)した地域(ちいき)で、主な都市(とし)としてはいわき()南相馬市(みなみそうまし)相馬市(そうまし)などがあります。この地域(ちいき)特徴(とくちょう)は以下のようなものです。

  • 太平洋(たいへいよう)(めん)しているため、漁業(ぎょぎょう)もさかんで、新鮮(しんせん)海産物(かいさんぶつ)名産(めいさん)です。
  • ●「スパリゾートハワイアンズ」があるのもこの地域(ちいき)で、観光地(かんこうち)としても人気です。
  • ●2011年の東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)原発事故(げんぱつじこ)のあと、復興(ふっこう)にむけてさまざまな()りくみが行われています。
  • ●近年はロボットや再生(さいせい)エネルギーなど、新しい産業(さんぎょう)育成(いくせい)にも力を入れています。

観光(かんこう)名所(めいしょ)

福島県(ふくしまけん)には、歴史(れきし)自然(しぜん)(かん)じられる観光地(かんこうち)がたくさんあります。

鶴ヶ城(つるがじょう)

会津(あいづ)若松市(わかまつし)にある(うつく)しいお(しろ)です。白いかべと赤い屋根(やね)がとてもきれいで、歴史(れきし)()きな人に人気があります。もともとは戦国(せんごく)時代に作られたお(しろ)で、会津(あいづ)(はん)の中心となっていました。

もともとのお(しろ)明治(めいじ)時代に一度(こわ)されてしまいましたが、1965年に再建(さいけん)されました。現在(げんざい)歴史資料館(れきししりょうかん)になっています。

春にはお(しろ)のまわりに(さくら)()きほこり、お花見スポットとしても人気です。また夜になるとライトアップされて、とても幻想的(げんそうてき)景色(けしき)を見ることができます。

赤い(かわら)屋根(やね)(さくら)のピンクが非常(ひじょう)にきれいな春の鶴ヶ城(つるがじょう)

五色沼(ごしきぬま)

磐梯山(ばんだいさん)の近くにある、大小30以上の色とりどりの神秘的(しんぴてき)(みずうみ)(ぬま)があつまった自然(しぜん)のスポットです。それぞれの湖沼(こしょう)の水の色が青、(みどり)、赤っぽい色、乳白色(にゅうはくしょく)など、さまざまに()わって見えることから、「五色(様々(さまざま)な色という意味)」という名前が()けられました。

五色沼(ごしきぬま)のまわりには、全長(ぜんちょう)3.6kmのハイキングコースがあります。子どもからお年寄(としよ)りまで楽しめるコースで、1時間半~2時間くらいで歩けます。途中(とちゅう)にベンチや休憩所(きゅうけいしょ)もあるので、自然(しぜん)を見ながらのんびり散歩(さんぽ)ができます。

様々(さまざま)な色が存在(そんざい)する五色沼(ごしきぬま)(みずうみ)たち。自然(しぜん)が作り出した色彩(しきさい)(ゆた)かさを(かん)じられます

スパリゾートハワイアンズ

いわき()にある大型(おおがた)温泉(おんせん)プールテーマパークです。ハワイのような雰囲気(ふんいき)で、フラダンスショーなども楽しめます。でも(じつ)は、「常磐(じょうばん)ハワイアンセンター」という名前で1966年にオープンした、とても歴史(れきし)ある施設(しせつ)です。

ハワイアンズではフラダンスのショーがとても有名です。フラダンスのダンサーは「フラガール」と()ばれ、多くの人に感動(かんどう)をあたえるショーを(つづ)けています。2006年には彼女(かのじょ)たちの物語をもとにした映画『フラガール』公開(こうかい)され、大ヒットしました。

フラガールズの(おど)るフラダンスはハワイアンズを象徴(しょうちょう)するエンターテインメントになっています

名産品(めいさんひん)特産品(とくさんひん)

福島県(ふくしまけん)には、おいしい食べ物もたくさんあります。

(もも)

福島県(ふくしまけん)(もも)生産量(せいさんりょう)は、山梨県(やまなしけん)()いで全国(ぜんこく)2()です。(もも)(あま)くおいしく(そだ)つには、「昼と夜の温度差(おんどさ)」が大きいことや、「たっぷりの日光(にっこう)」と「きれいな水」が必要(ひつよう)ですが、福島県(ふくしまけん)はこの条件(じょうけん)にぴったりで、とてもよい(もも)ができます。

献上(けんじょう)(もも)」といって、皇室(こうしつ)にささげるための(もも)(えら)ばれたこともあり、その品質はおすみつきです。中でも「あかつき」という品種(ひんしゅ)福島県(ふくしまけん)代表(だいひょう)する(もも)として特に人気があります。

皇室(こうしつ)にも献上(けんじょう)されるほどそのおいしさを(みと)められた名産(めいさん)(ひん)

喜多方(きたかた)ラーメン

(ふと)くてもちもちしたちぢれ(めん)と、(ぶた)ガラや煮干(にぼ)し、野菜(やさい)などから出汁(だし)()ったあっさり(けい)しょうゆベースのスープが特徴(とくちょう)です。具材(ぐざい)はチャーシューやメンマ、ネギなど定番(ていばん)でシンプルなものが多く、何度も食べたくなる味わいです。

シンプルながら(くせ)になる味わいの喜多方(きたかた)ラーメン

馬肉(ばにく)料理(りょうり)

福島県(ふくしまけん)会津(あいづ)地方は、(むかし)から(うま)を大切に(そだ)ててきた地域(ちいき)です。もともとは農作業(のうさぎょう)運搬(うんぱん)に使われていましたが、冬の(さむ)さが(きび)しく、食べ物が少ない時期(じき)栄養(えいよう)のあるたんぱく(げん)として、馬肉(ばにく)を食べる文化(ぶんか)()づきました。馬肉(ばにく)(あぶら)が少なくヘルシー、高たんぱく、やわらかくてうまみが強いといった特徴(とくちょう)があります。 食べ方としては、お刺身(さしみ)のように食べる馬刺(ばさ)し、すき()き風の(なべ)料理(りょうり)桜鍋(さくらなべ)甘辛(あまから)()こんだしぐれ()などが有名です。

熊本(くまもと)だけでなく福島県(ふくしまけん)馬刺(ばさ)しも(わす)れないで!

歴史(れきし)(てき)()り立ち

(むかし)、今の福島県(ふくしまけん)は「岩代国(いわしろのくに)」や「磐城国(いわきのくに)」と()ばれていて、いくつかの地域(ちいき)に分かれていました。江戸(えど)時代になると、会津(あいづ)(はん)二本松藩(にほんまつはん)などが()かれて、それぞれが独自(どくじ)文化(ぶんか)発展(はってん)させました。

とくに「会津(あいづ)(はん)」は、幕末(ばくまつ)において徳川(とくがわ)幕府(ばくふ)最後(さいご)まで(ささ)えたことで知られています。「白虎隊(びゃっこたい)」という(わか)武士(ぶし)たちの話は、とても有名で多くの人に語りつがれています。

また、明治(めいじ)時代には工業や電力産業(さんぎょう)発展(はってん)し、いわき()郡山市(こおりやまし)を中心に大きな(まち)ができました。

会津(あいづ)若松市(わかまつし)飯盛山(いいもりやま)にある白虎隊(びゃっこたい)石像(せきぞう)

近年の()()

2011年には東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)により、福島県(ふくしまけん)は大きな影響(えいきょう)()けました。しかし、それから多くの人々が力を()わせて復興(ふっこう)()()み、(うつく)しい自然(しぜん)町並(まちな)みを()(もど)しつつあります。 現在(げんざい)では地元の食べ物や観光地(かんこうち)全国(ぜんこく)や世界にアピールする活動(かつどう)も行われていて、少しずつ元気を()(もど)しています。

まとめ

福島県(ふくしまけん)自然(しぜん)のうつくしさと、長い歴史(れきし)、そしてあたたかい人々がいる魅力的(みりょくてき)場所(ばしょ)です。広い面積(めんせき)の中にさまざまな文化(ぶんか)や名物がつまっていて、(おとず)れるたびに新しい発見があります。これからも未来(みらい)()かって歩み(つづ)ける、力強い(けん)です。

文:鈴木大
写真:素材ライブラリー/photoAC/Adobe Stock

(2025.9.12)

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