何の穴?

今日は日曜日。
さとるくんは、おかあさんと近くの公園にいます。
「さとる、何見てるの?」
「ママ、これは何の穴?」

「これはアリの巣。アリはここに住んでるのよ。」
「へえー。」
さとるくんは、うちへ帰ります。
「見て、見て。ママ、道路に大きい穴がある!」

「あれは、マンホールよ。」
さとるくんはうちに着きました。
「あ、ドアにも穴がある。ぼく、知ってるよ。ここに鍵を入れるんだよね?」
「そう。鍵穴。」

ガチャ
「ただいま!」
「さとる、帰ったら、手を洗いなさい。」
「はーい」
さとるくんは、洗面所で手を洗います。
「あ、ここにも穴がある。水が流れていくよ。」

「それは排水溝。でも、排水溝は洗面所だけじゃなくて、いろいろなところにあるのよ。」
「台所とかお風呂にもある!」
「そうそう。あと、トイレにも。」
「ママ、そういえば、ぼくの顔にも穴があるよ!」
「え? どこ?」

「ここ!」
「あはは。そうね。鼻の穴も大事な穴ね。」
「穴って、たくさんあるんだね。」
「そうよ。さとるの服にも小さい穴が付いてるでしょ?」
「え? 何?」

「ボタンの穴。」
「ほんとだ!」
おかあさんは、さとるくんにおやつをあげます。
「わあ、今日のおやつにも穴がある!」
「どうぞ。」
「いただきます。うん、おいしい。あっ、穴がなくなっちゃった!」

さとるくんが食べたおやつは何でしょう?

ドーナツ
文:遠藤和彦
画像:Adobe Sock/写真AC
(2025.9.30)