埼玉県

埼玉県は、関東地方のほぼ真ん中にある県です。東京都のすぐ北にあり、毎日たくさんの人が東京に通って仕事や学校に行く、いわゆる「ベッドタウン」としても知られています。でも、ただ東京の近くというだけでなく、自然や文化、歴史などたくさんの魅力を持っています。
面積と人口
埼玉県の面積はおよそ3,800平方キロメートルで、全国で39番目の広さです。ただし、人口はとても多く、全国で5番目です(約730万人)。それだけたくさんの人が住んでいて、にぎやかで活気のある県だということが分かります。

季節ごとの景色を楽しめる川下り。和舟で下るスタイルが一般的
また、「国営武蔵丘陵森林公園」は、自然の中で思いっきり遊べる広い公園です。アスレチックや水遊び場、バードウォッチング、四季折々の花の観察など様々な楽しみがあり、子どもから大人まで人気のスポットです。

広大な敷地の中で様々な花が咲いている人気のスポット

川越のシンボル「時の鐘」は今でも1日4回、時間を知らせてくれます
明治時代から現代までの鉄道の歴史を代表する数々の車両が展示されていて、鉄道が好きな人にとっては夢のような場所です。展示車両は見るだけでなく、実際に中に入ったり、触ったりすることもできます。シミュレータで運転体験もでき、子どもから大人まで楽しめる博物館です。

様々な車両が展示されており、電車好きにはたまらないスポット
●秩父夜祭
ユネスコの無形文化遺産にも登録されている、日本でもとても有名なお祭りです。きらびやかな山車が町をねり歩き、夜には花火もあがります。毎年多くの観光客が訪れるイベントです。

豪華絢爛な山車と花火の共演は圧巻の一言 ©秩父市
名産品・特産品
埼玉県は農業もさかんで、さまざまな野菜や果物が作られています。
●狭山茶
「色は静岡、香りは宇治、味は狭山」と言われるほど、味のよいお茶として知られています。お茶の葉が厚ぼったいため、しっかりとした味わいが特徴です。その歴史は古く、鎌倉時代(約800年前)にはすでにお茶づくりが行われていたと言われています。また江戸時代には幕府に献上するほどの高級なお茶として大切にされていました。

将軍にも献上された狭山茶。しっかりした味わいが特徴
しょうゆ味が有名で、おみやげにも人気があります。また観光客向けに「せんべい焼き体験」も人気のアクティビティとなっています。草加せんべいの始まりにはいくつかの説がありますが、有名な話では、江戸時代に日光街道の宿場町だった草加で、旅人に出すために生まれたと言われています。

せんべい屋の「おせん」さんがおせんべいの語源になったという説も

©深谷市のゆるキャラ「ふっかちゃん」。2014年にはランキング2位になった人気キャラクター
歴史と成り立ち
埼玉県は昔、「武蔵国」の一部であり、武蔵国は今の東京都、埼玉県、神奈川県の一部が含まれていました。特に埼玉の中部から南部は、古くから人が住んでいて、「さきたま古墳群」という大きなお墓が今も残っています。これは5世紀ごろの有力な人物のお墓で、中にはたくさんの金のかんむりや刀なども見つかりました。

全国的に見ても非常に規模の大きな古墳群。現在の行田市にある
また、江戸時代になると川越が商業の中心地として発展し、「小江戸」と呼ばれるほどにぎやかになりました。さらに大宮は明治時代には鉄道が通り、今では東京とつながる大切な交通の要所となっており、新幹線や多くの鉄道路線が集まるため、「関東の玄関口」と言われたりします。

13本も路線が乗り入れる大宮駅。東京駅の16本に続いて全国で2位の乗り入れ本数
まとめ
埼玉県は、都会と自然がバランスよくまじり合った、とても暮らしやすい場所です。観光地やおいしい名物、歴史もたくさんあり、東京の近くにありながら自分たちの魅力をしっかりと持っています。
ベッドタウンとしてのイメージが強いかもしれませんが、ふだんの暮らしの中にもたくさんの見どころや楽しみがつまった県、それが埼玉県です。旅行先としてもぜひ注目してみてください。
文:鈴木大
写真:素材ライブラリー/photoAC/Adobe Stock/深谷市/秩父市/鉄道博物館
(2025.8.22)