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埼玉県(さいたまけん)

埼玉県(さいたまけん)は、関東(かんとう)地方のほぼ真ん中にある(けん)です。東京都(とうきょうと)のすぐ北にあり、毎日たくさんの人が東京に通って仕事や学校に行く、いわゆる「ベッドタウン」としても知られています。でも、ただ東京の近くというだけでなく、自然(しぜん)文化(ぶんか)歴史(れきし)などたくさんの魅力(みりょく)を持っています。

面積(めんせき)と人口

埼玉県(さいたまけん)面積(めんせき)はおよそ3,800平方(へいほう)キロメートルで、全国(ぜんこく)で39番目(ばんめ)の広さです。ただし、人口はとても多く、全国(ぜんこく)で5番目(ばんめ)です((やく)730万人)。それだけたくさんの人が住んでいて、にぎやかで活気(かっき)のある(けん)だということが分かります。

地形(ちけい)自然(しぜん)

埼玉県(さいたまけん)には大きな山はあまりありませんが、県西部(けんせいぶ)には秩父(ちちぶ)地方という山の多い地域(ちいき)があります。秩父(ちちぶ)には「長瀞(ながとろ)」という自然(しぜん)(ゆた)かな観光地(かんこうち)があり、きれいな川でラフティングや川下りを楽しむことができます。春には(さくら)、夏にはひまわり、秋には紅葉(こうよう)(うつく)しく、1年中たくさんの人が(おとず)れる人気の観光地(かんこうち)となっています。

季節(きせつ)ごとの景色(けしき)を楽しめる川下り。和舟(わぶね)で下るスタイルが一般的(いっぱんてき)

また、「国営武蔵丘陵森林公園(こくえいむさしきゅうりょうしんりんこうえん)」は、自然(しぜん)の中で思いっきり(あそ)べる広い公園(こうえん)です。アスレチックや水(あそ)び場、バードウォッチング、四季(しき)折々(おりおり)の花の観察(かんさつ)など様々(さまざま)な楽しみがあり、子どもから大人まで人気のスポットです。

広大な敷地(しきち)の中で様々(さまざま)な花が()いている人気のスポット

観光(かんこう)名所(めいしょ)

川越(かわごえ)

川越(かわごえ)は「小江戸(こえど)」と()ばれ、江戸(えど)時代の町なみが(のこ)観光地(かんこうち)です。「時の(かね)」という(かね)つきやぐらや、(むかし)商家(しょうか)(なら)ぶ通りがあり、まるでタイムスリップしたような気分になります。さつまいもを使ったおかしや料理も非常(ひじょう)に有名です。

川越(かわごえ)のシンボル「時の(かね)」は今でも1日4(かい)、時間を知らせてくれます

鉄道博物館(てつどうはくぶつかん)

明治(めいじ)時代から現代(げんだい)までの鉄道(てつどう)歴史(れきし)代表(だいひょう)する数々(かずかず)車両(しゃりょう)展示(てんじ)されていて、鉄道(てつどう)()きな人にとっては(ゆめ)のような場所(ばしょ)です。展示(てんじ)車両(しゃりょう)は見るだけでなく、実際(じっさい)に中に入ったり、(さわ)ったりすることもできます。シミュレータで運転体験もでき、子どもから大人まで楽しめる博物館(はくぶつかん)です。

様々(さまざま)車両(しゃりょう)展示(てんじ)されており、電車()きにはたまらないスポット

秩父(ちちぶ)夜祭(よまつり)

ユネスコの無形(むけい)文化(ぶんか)遺産(いさん)にも登録(とうろく)されている、日本でもとても有名なお(まつ)りです。きらびやかな山車(だし)が町をねり歩き、夜には花火もあがります。毎年多くの観光(かんこう)(きゃく)(おとず)れるイベントです。

豪華絢爛(ごうかけんらん)山車(だし)と花火の共演(きょうえん)圧巻(あっかん)の一言 ©秩父(ちちぶ)

名産品(めいさんひん)特産品(とくさんひん)

埼玉県(さいたまけん)農業(のうぎょう)もさかんで、さまざまな野菜(やさい)果物(くだもの)が作られています。

狭山茶(さやまちゃ)

「色は静岡(しずおか)(かお)りは宇治(うじ)、味は狭山(さやま)」と言われるほど、味のよいお茶として知られています。お茶の()(あつ)ぼったいため、しっかりとした味わいが特徴(とくちょう)です。その歴史(れきし)は古く、鎌倉(かまくら)時代((やく)800年前)にはすでにお茶づくりが行われていたと言われています。また江戸(えど)時代には幕府(ばくふ)献上(けんじょう)するほどの高級(こうきゅう)なお茶として大切にされていました。

将軍(しょうぐん)にも献上(けんじょう)された狭山茶(さやまちゃ)。しっかりした味わいが特徴(とくちょう)

草加(そうか)せんべい

しょうゆ味が有名で、おみやげにも人気があります。また観光(かんこう)(きゃく)()けに「せんべい()き体験」も人気のアクティビティとなっています。草加(そうか)せんべいの始まりにはいくつかの(せつ)がありますが、有名な話では、江戸(えど)時代に日光(にっこう)街道(かいどう)宿場町(しゅくばまち)だった草加(そうか)で、旅人に出すために生まれたと言われています。

せんべい屋の「おせん」さんがおせんべいの語源(ごげん)になったという(せつ)

深谷(ふかや)ねぎ

白い部分(ぶぶん)がとても長くて、(あま)みのあるねぎです。冬になると、鍋物(なべもの)()きねぎとしてよく使われています。深谷市(ふかやし)のイメージキャラクター「ふっかちゃん」も人気です。

©深谷市(ふかやし)のゆるキャラ「ふっかちゃん」。2014年にはランキング2()になった人気キャラクター

歴史(れきし)()り立ち

埼玉県(さいたまけん)(むかし)、「武蔵国(むさしのくに)」の一部(いちぶ)であり、武蔵国(むさしのくに)は今の東京都(とうきょうと)埼玉県(さいたまけん)神奈川県(かながわけん)一部(いちぶ)(ふく)まれていました。特に埼玉(さいたま)中部(ちゅうぶ)から南部(なんぶ)は、古くから人が住んでいて、「さきたま古墳群(こふんぐん)」という大きなお(はか)が今も(のこ)っています。これは5世紀(せいき)ごろの有力な人物のお(はか)で、中にはたくさんの金のかんむりや(かたな)なども見つかりました。

全国(ぜんこく)(てき)に見ても非常(ひじょう)規模(きぼ)の大きな古墳群(こふんぐん)現在(げんざい)行田市(ぎょうだし)にある

また、江戸(えど)時代になると川越(かわごえ)商業(しょうぎょう)の中心地として発展(はってん)し、「小江戸(こえど)」と()ばれるほどにぎやかになりました。さらに大宮(おおみや)明治(めいじ)時代には鉄道(てつどう)が通り、今では東京とつながる大切な交通(こうつう)要所(ようしょ)となっており、新幹線(しんかんせん)や多くの鉄道(てつどう)路線(ろせん)が集まるため、「関東(かんとう)玄関口(げんかんぐち)」と言われたりします。

13本も路線(ろせん)()り入れる大宮(おおみや)駅。東京駅の16本に(つづ)いて全国(ぜんこく)で2()()り入れ本数(ほんすう)

まとめ

埼玉県(さいたまけん)は、都会(とかい)自然(しぜん)がバランスよくまじり()った、とても()らしやすい場所(ばしょ)です。観光地(かんこうち)やおいしい名物、歴史(れきし)もたくさんあり、東京の近くにありながら自分たちの魅力(みりょく)をしっかりと持っています。

ベッドタウンとしてのイメージが強いかもしれませんが、ふだんの()らしの中にもたくさんの見どころや楽しみがつまった(けん)、それが埼玉県(さいたまけん)です。旅行先としてもぜひ注目してみてください。

文:鈴木大
写真:素材ライブラリー/photoAC/Adobe Stock/深谷市/秩父市/鉄道博物館

(2025.8.22)

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