日本語は動詞どうしが少ない言語なのでしょうか?
そして、日本人はこの「~スル」を使って、いろいろな語を 動詞どうしにしてしまいます。
たとえば、最近さいきんはあまり使われなくなってきましたが、「タピる」という語がはやりました。「タピオカ」というやわらかい粒つぶを入れた、ココナッツなどを使ったデザートが人気だったときに、それを飲んだり食べたりすることを、「タピる」と言っていたのです。
タピる
この、名詞めいしを動詞どうしにするのは、最近さいきんのことではなく、昔むかしの人も同じようなことをしていました。ご飯に熱 あついお茶をかけて食べる「お茶漬ちゃづけ」という食べものを知っていますか。江戸時代えどじだいの人はこれを動詞どうしにしてしまったのです。それも「お茶漬ちゃづけする」ではなく、「ちゃづ(ず)る」と言っていたのです。もちろん意味はお茶漬ちゃづけを食べるということです。「ちゃづける」でもなく「ちゃづる」と言っていたところもおもしろいと思います。この「ちゃづる」は、江戸時代えどじだいの小説しょうせつに出てきます。ちょっとかっこよく言うために使っている場面ばめんです。
文:神永曉
イラスト:Adobe Stock
(2022.4.15)
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