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神戸市立博物館 ( こうべしりつはくぶつかん )

神戸(こうべ)は古く、歴史(れきし)のある町です。旧石器時代(きゅうせっきじだい)にはすでに人が()らしていた(あと)があります。それを目で見て(たし)かめるために、まずは神戸市立博物館(こうべしりつはくぶつかん)()かうことにしましょう。
神戸(こうべ)では、多くの旧石器時代(きゅうせっきじだい)石器(せっき)(いし)で作られた道具(どうぐ))が見つかっています。ただ、いつごろから人が住み始めたのかについては、よくわかっていません。当時(とうじ)生活(せいかつ)様子(ようす)具体的(ぐたいてき)に知りたいのですが、残念(ざんねん)ながら、それもよくわかりません。けれども、神戸市立博物館(こうべしりつはくぶつかん)には、原始(げんし)古代(こだい)遺産(いさん)として代表的(だいひょうてき)なものが展示(てんじ)してあります。(とく)に、銅鐸(どうたく)銅戈(どうか)()ばれる(しな)は、貴重(きちょう)なものです。国宝(こくほう)にも指定(してい)されています。銅鐸(どうたく)とは「弥生時代(やよいじだい)青銅器(せいどうき)のひとつ」とあります。(かたち)釣鐘(つりがね)のような(かたち)です。何のために使われていたのか、はっきりしたことはわかっていませんが、祭器(さいき)祭事(さいじ)に使う道具(どうぐ))として使われていたと考えられています。(なが)めていると、(とお)過去(かこ)歴史(れきし)が何かを(うった)えているような気持ちになります。どこのだれが作ったのかもわかりません。けれども、歴史(れきし)()こうから、だれかの(こえ)が聞こえてくるようです。
神戸市立博物館(こうべしりつはくぶつかん)は、京町筋(きょうまちすじ)()ばれる道路(どうろ)(めん)しています。市立南蛮美術館(しりつなんばんびじゅつかん)考古館(こうこかん)統合(とうごう)し、昭和(しょうわ)57年(1982年)の秋に開館(かいかん)しました。建物は昭和(しょうわ)10年(1935年)に建設(けんせつ)された旧横浜正金銀行(きゅうよこはましょうきんぎんこう)神戸支店(こうべしてん)ビルをそのまま(もち)いたもので、昭和初期(しょうわしょき)名建築(めいけんちく)と言われています。正面(しょうめん)には古代(こだい)ギリシャのドリス様式(ようしき)円柱(えんちゅう)(なら)ぶりっぱな建物です。建物を外から見ているだけでも満足(まんぞく)できるほどです。この博物館(はくぶつかん)は、神戸(こうべ)が古くからの国際港(こくさいこう)であることを意識(いしき)してつくられたそうです。東西文化(とうざいぶんか)(せっ)するとき、そこにはぶつかり()いや(あゆ)みよりが生まれます。博物館(はくぶつかん)はそのことを意識(いしき)して運営(うんえい)されているようです。
神戸市立博物館(こうべしりつはくぶつかん)常設展示(じょうせつてんじ)は、2つに分かれています。ひとつは、古代(こだい)から現代(げんだい)(いた)る、地域(ちいき)歴史(れきし)がわかる「神戸(こうべ)歴史展示室(れきしてんじしつ)」。もうひとつが所蔵品(しょぞうひん)をテーマにそって紹介(しょうかい)する「コレクション展示室(てんじしつ)」です。1階にある「神戸(こうべ)歴史展示室(れきしてんじしつ)」は無料(むりょう)で見ることができます。何度も行くうちに、神戸(こうべ)歴史(れきし)について自然(しぜん)とくわしくなることでしょう。さらに、有料(ゆうりょう)ですが、「コレクション展示室(てんじしつ)」もぜひ見てみましょう。国宝(こくほう)となっている桜ヶ丘銅鐸(さくらがおかどうたく)銅戈(どうか)も、ここにあります。観光客(かんこうきゃく)はもちろん、神戸(こうべ)歴史(れきし)興味(きょうみ)を持つ(かた)にとって、神戸市立博物館(こうべしりつはくぶつかん)は目で見る教科書(きょうかしょ)になるでしょう。(まな)びながら楽しむことのできる場所(ばしょ)だと思います。

文・写真:三浦暁子(2021.4.30)

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