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座間味島 ( ざまみじま )

今回(こんかい)(みな)さんに紹介(しょうかい)するのはある離島(りとう)です。那覇(なは)から(ふね)で西に(やく)40キロ(km)に座間味島(ざまみじま)という(しま)があります。座間味島(ざまみじま)は、慶良間諸島(けらましょとう)という、たくさんの島々(しまじま)の中にある一つの(しま)です。2014年3月5日、慶良間諸島(けらましょとう)国立公園(こくりつこうえん)(国が指定(してい)する特別(とくべつ)大切(たいせつ)にする場所(ばしょ))に指定(してい)されました。指定(してい)された理由(りゆう)は、
  1. (しま)や海の中が(うつく)しいこと
  2. たくさんのサンゴがあり、多くの生物がすんでいること
  3. 海の水が()んでいて、とてもきれいな青色をしていること
  4. ウミガメがタマゴを()砂浜(すなはま)があり、クジラが子どもを(そだ)てる大切(たいせつ)な海であること
などです。そのため、国立公園(こくりつこうえん)には(りく)だけではなくサンゴが広がる広い海も(ふく)まれます。サンゴは酸素(さんそ)を作ります。そのため地球(ちきゅう)環境(かんきょう)に大きな役割(やくわり)()たしています。ですから、サンゴを(まも)ることは地球(ちきゅう)(まも)ることにつながります。
座間味島(ざまみじま)はダイビング(diving)が有名(ゆうめい)で、世界中(せかいじゅう)のダイバーがあこがれる(しま)です。しかし、大きなホテルなどはありません。(しま)の人がやっている民宿(みんしゅく)()ばれる小さな宿(やど)などが30(けん)ほどあるだけです。座間味島(ざまみじま)には、那覇(なは)にある泊港(とまりこう)という(みなと)から、フェリー(ferry)か高速船(こうそくせん)で行きます。高速船(こうそくせん)ですと1時間くらいで行くことができます。座間味島(ざまみじま)座間味村(ざまみそん)という(むら)にあります。この(むら)には座間味島(ざまみじま)のほかに、阿嘉島(あかしま)慶留間島(げるまじま)という人の住んでいる(しま)があります。そのほか、たくさんの無人島(むじんとう)(人の住んでいない(しま))があります。慶良間諸島(けらましょとう)には、そのほかに渡嘉敷島(とかしきじま)という(しま)もあります。これらの島々(しまじま)は、どこまでもすんだケラマブルー(Kerama blue)と()ばれる海の中にあり、この()のものとも思えないくらいにきれいです。
座間味港(ざまみこう)()き、集落(しゅうらく)(家などが集まる(ところ))の方に()かうと、駐車場(ちゅうしゃじょう)の前にバス()()があります。海水浴(かいすいよく)季節(きせつ)には、ここから、二つのビーチに行くバスが出ています。古座間味(ふるざまみ)ビーチと阿真(あま)ビーチという、とても(うつく)しいビーチです。両方(りょうほう)とも歩いて20分くらいで行くことができます。しかし、(あつ)時期(じき)荷物(にもつ)がたくさんあるときは、バスに()るほうが(らく)ですよ。
(しま)の東にある古座間味(ふるざまみ)ビーチは、急な(さか)(のぼ)っていき、そこから()りたところにあります。三日月(みかづき)のように()がった(かたち)をしたビーチです。右はサンゴが(いわ)のようになって、広がっています。そこではたくさんの熱帯魚(ねったいぎょ)()れているのを見ることができます。ただし、最近(さいきん)、サンゴがある場所(ばしょ)()()りが禁止(きんし)になったようです。残念(ざんねん)ですが、サンゴと自然(しぜん)(まも)るためにはしかたありません。サンゴがない場所(ばしょ)(およ)ぎましょう。ビーチの前には渡嘉敷島(とかしきじま)、右にはアムロ(じま)という無人島(むじんとう)が見えます。
(しま)(かこ)まれたビーチなので(なみ)はとてもおだやかです。しかし、近くに海の(なが)れが早い場所(ばしょ)があるので、監視員(かんしいん)(およ)いでいる人がおぼれないように注意する人)の指示(しじ)にしたがって海水浴(かいすいよく)を楽しんでください。世界でもこれだけ景色(けしき)()く、海がきれいなビーチは少ないと思います。ただし、()ざしが強いのでビーチパラソルが必要(ひつよう)です。持っていないときは、借りることもできます。水中(すいちゅう)マスクやゴーグルをつけるときれいな熱帯魚(ねったいぎょ)などをはっきり見ることができますよ。これも借りることができます。

(みなと)からバスで古座間味(ふるざまみ)ビーチへ

もう一つのビーチは(しま)の西にある阿真(あま)ビーチです。古座間味(ふるざまみ)ビーチと(ちが)い、(たい)らな海岸(かいがん)ぞいの道を行ったところにあります。この道はとても景色(けしき)()いので、行きか帰りのどちらか歩いてみましょう。途中(とちゅう)にマリリンの(ぞう)という犬の(ぞう)があります。マリリンは、阿嘉島(あかしま)に住んでいる恋人(こいびと)のシロという犬を待っています。これは実際(じっさい)にあった話で、映画にもなりました。二つの(しま)の間はかなり(はな)れていて、海の(なが)れもあるので、(およ)いで(わた)るのはとても大変(たいへん)です。(あい)の力はすごいですね。マリリンもシロも死んでしまいましたが、マリリンの(まご)座間味島(ざまみじま)にいるようです。また、この(へん)はきれいな夕陽(ゆうひ)を見られるので、夕方に行っても()いところです。

マリリンの(ぞう)とそこから見た夕陽(ゆうひ)

阿真(あま)ビーチのそばにはキャンプ(じょう)があり、ビーチの目の前には二つの無人島(むじんとう)があります。その(おく)にシロが住んでいた阿嘉島(あかしま)があります。阿真(あま)ビーチは急に(ふか)くなる古座間味(ふるざまみ)ビーチとは(ちが)い、遠浅(とおあさ)(とお)くまで(あさ)い)のビーチです。(おく)の方に行くとサンゴも楽しめます。また、ここはウミガメが多いところです。(うん)()ければウミガメに会えるかもしれません。もし、カメと会うことができても、()いかけたり、さわったりしないで、(とお)くからやさしく見守(みまも)りましょう。

ウミガメがいる()()ビーチ

無人島(むじんとう)に行くのも楽しいです。(みなと)から(わた)(ぶね)が出ていて、アゲナシク、ガヒという(しま)に行くことができます。無人島(むじんとう)ですので、何もありません。飲み物や日光(にっこう)をさけるためのものを持っていきましょう。無人島(むじんとう)にシーカヤックで行ったり、つりをする人もいます。

無人島(むじんとう)のアゲナシク 高いところからビーチの方を見る

いろいろなマリンスポーツを楽しめますが、一番(いちばん)のおすすめはやはりダイビングです。たくさんの(しま)(かこ)まれた(なみ)も少ない海は、ダイビングにはもってこいです。変化(へんか)()んだ(さまざまな種類(しゅるい)があり、それぞれが()わっていること)、多くのダイビングポイント(ダイビングをする場所(ばしょ))があります。たくさんのサンゴがあり、海はとても()んでいます。ダイビング(ちゅう)(とお)くにいるほかのダイバーも()く見えますし、海の下30mくらいから、ダイビングボートの(そこ)が見えるほどです。ケラマの海はとても(ゆた)かな海です。
しかし、心配(しんぱい)なこともあります。サンゴが年々(ねんねん)少なくなってしまっているのです。サンゴが少なくなる原因(げんいん)はいろいろとあります。最近(さいきん)海水(かいすい)があたたかくなりすぎて、サンゴが死んでしまうことが多いです。色とりどりのサンゴがたくさん見られる(むかし)座間味島(ざまみじま)にもどってほしいですね。

世界中(せかいじゅう)のダイバーがあこがれる座間味島(ざまみじま)の海

海もきれいですが、(りく)から見た海や(しま)もまたすばらしいです。おすすめは高月山展望台(たかつきやまてんぼうだい)景色(けしき)を楽しむために高台(たかだい)に作られた場所(ばしょ))です。座間味島(ざまみじま)展望台(てんぼうだい)はいくつかあります。その中で、(みなと)から一番(いちばん)近いのが標高(ひょうこう)137mの高月山(たかつきやま)です。山頂(さんちょう)公園(こうえん)になっていて、二つの展望台(てんぼうだい)があります。ここからの景色(けしき)最高(さいこう)です。137mのぼるのは大変(たいへん)ですが、がんばって(のぼ)りましょう。(あせ)をかいて(のぼ)っても、きっと()かったと思いますよ。
高月山(たかつきやま)までの道にはハイビスカスの花がたくさん()いていてきれいです。また、ハイビスカスにたくさんのチョウが集まっています。オオゴマダラというとても大きなチョウもときどき見かけます。白に黒い(せん)が入ったチョウで、フワフワと()んできます。(のぼ)りたくなりましたか?

高月山展望台 ( たかつきやまてんぼうだい )

ハイビスカス

そこから見た古座間味(ふるざまみ)ビーチ

オオゴマダラ

楽しい話の中で、少しだけ(かな)しい話をします。高月山(たかつきやま)に行く途中(とちゅう)に、平和(へいわ)(とう)という場所(ばしょ)があります。休みをとるために、()()ってください。第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)の時、日本はアメリカと太平洋(たいへいよう)戦争(せんそう)をしました。戦争(せんそう)の終わりのころ、アメリカ(ぐん)沖縄(おきなわ)上陸(じょうりく)(海から(りく)()がること)し、沖縄(おきなわ)の人たちが戦争(せんそう)()()まれてしまいました。最初(さいしょ)にアメリカ(ぐん)上陸(じょうりく)したのがこの(しま)でした。この時、住民(じゅうみん)(ふく)めて1,200人の(かた)()くなりました。戦後(せんご)平和(へいわ)(とう)が立てられ、石碑(せきひ)子孫(しそん)(わす)れないように大切(たいせつ)なことを文字(もじ)にした石)には()くなった方々(かたがた)のお名前が(きざ)まれています。ここに()()って、戦争(せんそう)のない平和(へいわ)な世界を(ねが)いましょう。(うつく)しく、今はとても平和(へいわ)なこの(しま)で、そのような(かな)しいことが()こりました。
戦争(せんそう)爪痕(つめあと)戦争(せんそう)(かな)しみを思い出させるしるし)は海の中にもあり、海の中には戦争(せんそう)に使われた武器(ぶき)などが(しず)んでいます。高月山(たかつきやま)()かう道の途中(とちゅう)右側(みぎがわ)平和(へいわ)(とう)の入口があります。人一人通れるだけの小さい道があり、そこを(のぼ)っていったところが平和(へいわ)(とう)です。お(まい)りをすませたら、小道(こみち)が上に(つづ)いているので、そのまま(のぼ)っていくと、もとの道にもどります。

平和(へいわ)(とう)のある公園(こうえん)

平和(へいわ)(とう)石碑(せきひ

海の(なかに残された武器(ぶき

高月山(たかつきやま)以外(いがい)にも展望台(てんぼうだい)などがあります。時間があれば行ってみましょう。長い山道(やまみち)を歩くので飲み物や帽子(ぼうし)など、()ざしを()けるものを(わす)れないようにしましょう。また、座間味島(ざまみじま)から阿嘉島(あかしま)渡嘉敷島(とかしきじま)には(ふね)が出ています。時間がある人は行ってみてください。この二つの(しま)もとても(うつく)しい(しま)です。座間味島(ざまみじま)(むかし)とはずいぶん()わりました。(むかし)高速船(こうそくせん)もなく、座間味丸(ざまみまる)というスピードが出ない古い(ふね)しかありませんでした。また、レストランなどもなく、もちろん、コンビニもありませんでした。今はコンビニのようなお店もあるし、レストランや居酒屋(いざかや)などもできました。
(むかし)は、民宿(みんしゅく)2食付(にしょくつ)き(朝食(ちょうしょく)夕食(ゆうしょく)()いていること)で、昼のお弁当(べんとう)も用意してくれました。お店も何もなかったからです。しかし、夕方になると、(しま)の人たちが飲み物を持って、(みなと)に集まってきます。(みなと)の前のコンクリートの階段(かいだん)(すわ)り、()()いとお(さけ)をくみかわします。三線(さんしん)という沖縄(おきなわ)弦楽器(げんがっき)(ギターのような楽器(がっき))を()いている人もいました。不便(ふべん)でしたが、(なつ)かしい風景(ふうけい)でした。今はだいぶ風景(ふうけい)()わり、生活(せいかつ)便利(べんり)になりました。ただ、この(しま)のすばらしさは今も(むかし)()わりません。

レストランや 居酒屋 ( いざかや

島で一番大きいお店 

港の前の 階段 ( かいだん

座間味村 ( ざまみそん ) 役場 ( やくば

座間味島(ざまみじま)への行き方と注意点(ちゅういてん)

まず、那覇空港(なはくうこう)から泊港(とまりこう)に行くには三つの方法(ほうほう)があります。

那覇(なは)空港から泊港(とまりこう)

  1. タクシーで(やく)15分です。フェリー()()切符(きっぷ)売り場のすぐ近くですが、高速船(こうそくせん)()()は少し(はな)れています。
  2. モノレールで、那覇(なは)空港駅(くうこうえき)から7駅目の美栄橋駅(みえばしえき)に行きます((やく)14分)、そこから歩いて10分で泊港(とまりこう)へ行きます。
  3. バスは、那覇空港(なはくうこう)国内線旅客(こくないせんりょかく)バスターミナルからバス番号(ばんごう)26または99で、泊高橋(とまりたかはし)というところで()ります。(やく)30分で泊港(とまりこう)の前に()きます。泊港(とまりこう)からは、高速船(こうそくせん)で50~70分、フェリーの場合(ばあい)、90分~120分で座間味島(ざまみじま)到着(とうちゃく)します。


    注意点(ちゅういてん)

    • 泊港(とまりこう)からはいろいろな離島に行く(ふね)が出ています。それぞれ切符(きっぷ)売り場が(ちが)うので間違(まちが)えないようにしましょう。
    • フェリーも高速船(こうそくせん)座間味島(ざまみじま)阿嘉島(あかしま)にとまります。泊港(とまりこう)から直接(ちょくせつ)座間味島(ざまみじま)に行く場合(ばあい)と、阿嘉島(あかしま)経由(けいゆ)していく場合(ばあい)があります。()りる(しま)間違(まちが)えないようにしましょう。
    • 夏の沖縄(おきなわ)にはよく台風(たいふう)が来ます。台風(たいふう)が来ている時はもちろん、まだ、台風(たいふう)(とお)くにあっても(ふね)欠航(けっこう)(ふね)が出ないこと)になる場合(ばあい)があります。また、行きは大丈夫(だいじょうぶ)でも、帰りの(ふね)欠航(けっこう)する場合(ばあい)もあるので、行く前に天気予報(てんきよほう)(かなら)ずチェックしましょう。
    • 夏の時期(じき)や土日などは早めに予約(よやく)をしないと、定員(ていいん)がすぐに一杯(いっぱい)になってしまいます。インターネットで予約(よやく)ができるので早めに予約(よやく)をしたほうが()いです。()まる場合(ばあい)は、民宿(みんしゅく)予約(よやく)がとりにくいことがあります。

    文・写真:岡野秀夫 (2021.2.24)

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