座間味島(ざまみじま)の今と昔(むかし)

座間味島(ざまみじま)は、慶良間諸島(けらましょとう)にある島で、沖縄(おきなわ)の那覇(なは)から船(ふね)で西に約(やく)40キロ（km）行ったところにあります。座間味島(ざまみじま)は海の中もきれいですが、陸(りく)から見た海や島(しま)もすばらしいです。

座間味島(ざまみじま)には展望台(てんぼうだい)がいくつかあります。その中でおすすめなのが、港(みなと)から一番(いちばん)近い高月山展望台(たかつきやまてんぼうだい)です。高月山(たかつきやま)は標高(ひょうこう)137メートル（m）で、山の上が公園(こうえん)になっていて、２つの展望台(てんぼうだい)があります。ここからの景色(けしき)は最高(さいこう)です。のぼるのは大変(たいへん)ですが、きっとのぼってよかったと思いますよ。

高月山展望台(たかつきやまてんぼうだい

この高月山(たかつきやま)までの道にはハイビスカスの花がたくさん咲(さ)いています。また、ハイビスカスにはたくさんのチョウが集まります。オオゴマダラというチョウをときどき見ることができます。オオゴマダラはとても大きくて、フワフワと飛(と)んできます。

ハイビスカス

オオゴマダラ

この高月山(たかつきやま)に行く途中(とちゅう)には「平和(へいわ)の塔(とう)」があります。美(うつく)しく、とても平和(へいわ)なこの島(しま)で、昔(むかし)、悲(かな)しいことが起きたのです。

第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)（WWⅡ）のとき、日本はアメリカと太平洋(たいへいよう)で戦争(せんそう)をしました。戦争(せんそう)の終わりごろ、アメリカ軍(ぐん)は飛行機(ひこうき)で空から日本に攻撃(こうげき)を続(つづ)けていました。しかし、ついに陸(りく)からも攻撃(こうげき)を始めたのです。最初(さいしょ)に陸(りく)でアメリカ軍(ぐん)と戦(たたか)ったのが、座間味島(ざまみじま)でした。このとき、1200人の方(かた)が亡(な)くなりました。海の中には戦争(せんそう)に使われた武器(ぶき)などが残(のこ)っていました。

海(うみ)の中(なか)に残(のこ)された武器(ぶき

戦争(せんそう)の後(あと)、ここに平和(へいわ)の塔(とう)が建(た)てられ、亡(な)くなった方々(かたがた)の名前が書かれた石碑(せきひ)が置(お)かれました。高月山(たかつきやま)へ行くときには、ぜひここに立(た)ち寄(よ)ってみてください。戦争(せんそう)のない平和(へいわ)な世界をみんなで願(ねが)いましょう。

平和(へいわ)の塔(とう)と石碑(せきひ)

港(みなと)から歩いて20分くらいのところに、阿真(あま)ビーチというとても美(うつく)しいビーチがあります。阿真(あま)ビーチへ行く道も景色(けしき)がよくて、散歩(さんぽ)におすすめです。海岸(かいがん)にそって平(たい)らな道を歩いていくと、途中(とちゅう)に「マリリンの像(ぞう)」という犬の像(ぞう)があります。

マリリンの像(ぞう

マリリンには、シロという恋人(こいびと)の犬がいました。シロは阿嘉島(あかしま)に住んでいました。マリリンがいる座間味島(ざまみじま)とシロがいる阿嘉島(あかしま)は３キロ（km）も離(はな)れていましたが、シロはマリリンに会うために、毎日海を泳(およ)いできたそうです。愛(あい)の力はすごいですね。これは実際(じっさい)にあった話で、映画にもなりました。マリリンもシロももう死んでしまいましたが、マリリンの孫(まご)が座間味島(ざまみじま)にいるようです。

この辺(へん)はきれいな夕日(ゆうひ)が見られるので、夕方(ゆうがた)に行ってもいいところです。

座間味島(ざまみじま)はダイビングが有名で、世界中のダイバーが一度は行ってみたいと思う島(しま)です。しかし、島(しま)には大きなホテルはありません。今でも、島(しま)の人が経営(けいえい)している民宿(みんしゅく)などが30軒(けん)ほどあるだけです。

世界中からダイバーが集まる

昔(むかし)はもっと静(しず)かな島(しま)でした。民宿(みんしゅく)もほとんどありませんでした。高速船(こうそくせん)もなく、座間味丸(ざまみまる)という古い船(ふね)しかありませんでした。スピードが出なかったので、那覇(なは)から行くのに3時間くらいかかりました。また、昔(むかし)はレストランやコンビニがなかったので、民宿(みんしゅく)では朝晩(あさばん)の食事だけでなく、昼の弁当(べんとう)も用意してくれました。今は高速船(こうそくせん)で那覇(なは)から1時間で行くことができます。コンビニのような店もあるし、レストランもできました。

島(しま)で一番(いちばん)大きいお店

レストランや居酒屋(いざかや

昔(むかし)は居酒屋(いざかや)がなかったので、夕方(ゆうがた)になると、島(しま)の人たちは飲み物を持って港(みなと)に集まりました。港(みなと)の前のコンクリートの階段(かいだん)に座(すわ)って、知り合いたちとの飲み会が始まるのです。だれかが三線(さんしん)（沖縄(おきなわ)の楽器(がっき)）を弾(ひ)いたりしました。生活(せいかつ)は不便(ふべん)でしたが、なつかしい風景(ふうけい)です。

港(みなと)の前の階段(かいだん)

三線(さんしん)（沖縄(おきなわ)の楽器(がっき)）

今は、生活(せいかつ)も便利(べんり)になり、風景(ふうけい)もだいぶ変(か)わりました。ただ、この島(しま)のすばらしさは昔(むかし)も今も変(か)わりません。

文・写真：岡野秀夫

リライト：遠藤和彦

(2021.7.26)