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季節風(きせつふう)新潟(にいがた)(こめ

日本には、春・夏・秋・冬の4つの季節(きせつ)があります。それは、季節風(きせつふう)(monsoon)が()くからです。冬は北のロシアのほうから(つめ)たい風が()いて、(さむ)くなります。夏は南から(あたた)かくて湿(しめ)った風が()いて、(あつ)くなります。春と秋は、()れたり雨が()ったり、天気が()わりやすい季節(きせつ)です。また、6月ごろには梅雨(つゆ)という雨の日が(つづ)季節(きせつ)があります。夏や秋には台風(たいふう)が来ます。

では、同じ季節(きせつ)なら日本中(にほんじゅう)どこも同じ気候(きこう)なのでしょうか? 東京(とうきょう)新潟(にいがた)気候(きこう)(くら)べてみましょう。

東京(とうきょう)太平洋側(たいへいようがわ)にあります。一方(いっぽう)新潟(にいがた)日本海側(にほんかいがわ)にあります。太平洋側(たいへいようがわ)日本海側(にほんかいがわ)で、冬の気候(きこう)はぜんぜん(ちが)います。

下の図は1年間の気温(きおん)と、降水量(こうすいりょう)(雨や(ゆき)(りょう))を(あらわ)しています。

太平洋側(たいへいようがわ

日本海側(にほんかいがわ

太平洋側(たいへいようがわ)の冬は、()れの日が多いです。また、湿度(しつど)(ひく)く、空気が乾燥(かんそう)しています。それで、東京(とうきょう)からでも(とお)くにある富士山(ふじさん)がはっきり見えます。

太平洋側(たいへいようがわ)の冬(東京(とうきょう)

日本海側(にほんかいがわ)の冬は、湿度(しつど)が高く、(ゆき)がたくさん()ります。ですから、スキー(じょう)がたくさんあります。

日本海側(にほんかいがわ)の冬(新潟(にいがた)

では、どうして太平洋側(たいへいようがわ)日本海側(にほんかいがわ)で、こんなに冬の気候(きこう)(ちが)うのでしょうか?

冬は北のロシアのほうから(つめ)たい季節風(きせつふう)()いてきます。ですが、日本海(にほんかい)には南からの(あたた)かい海水(かいすい)(なが)れています。それで、季節風(きせつふう)日本海(にほんかい)の上を通るとき、空気中(くうきちゅう)水分(すいぶん)が多くなって、(くも)ができます。その(くも)が高い山にぶつかって、日本海側(にほんかいがわ)(ゆき)()らせます。日本海側(にほんかいがわ)(ゆき)()ってしまうと、空気中(くうきちゅう)水分(すいぶん)がなくなります。それで、太平洋側(たいへいようがわ)では(かわ)いた風が()くだけで、(ゆき)があまり()らないのです。

(くも)が高い山にぶつかって(ゆき)()

日本ではどこでも(こめ)が作られていますが、日本海側(にほんかいがわ)にある新潟(にいがた)(こめ)(とく)においしいと言われています。それは、新潟(にいがた)気候(きこう)関係(かんけい)があります。新潟(にいがた)魚沼(うおぬま)は、冬に(ゆき)がたくさん()ります。3メートル(m)ぐらい()もることもあります。

冬の新潟(にいがた)魚沼(うおぬま)

春になると、冬に()った(ゆき)()けて、川の水が()えます。この水はとてもきれいで、ミネラル(mineral)が豊富(ほうふ)です。この水を使って、(こめ)を作るのです。

春、(ゆき)()ける

春は()れの日が多く、雨が少ないです。春の終わりに、田んぼに(いね)()えます。

春の終わり、(いね)()える

夏は(あつ)くて、7月・8月は最高気温(さいこうきおん)が27度(℃)ぐらいになります。しかし、夜になると(すず)しくなって、19度(℃)ぐらいになります。このように気温(きおん)が大きく()わる中で(いね)(そだ)つと、(こめ)がおいしくなるのです。

夏、(いね)(そだ)

秋になると、黄金色になった(いね)()()ります。

秋、(いね)()()

この(あと)(いね)乾燥(かんそう)させると、おいしい(こめ)ができます。

(いね)()して乾燥(かんそう)させる

稲刈(いねか)りが終わると、だんだん(すず)しくなって、山は(うつく)しい紅葉(こうよう)季節(きせつ)になります。

紅葉(こうよう

そして、また(ゆき)季節(きせつ)がやってきます。
みなさん、新潟(にいがた)(こめ)(とく)においしいと言われる理由(りゆう)がわかりましたか?

文:岡野秀夫

リライト:遠藤和彦

写真:岡野秀夫/フォトAC

(2021.8.16)