日本語多読道場 yomujp

おもしろい! とり漢字かんじ

これは、古い(かたち)の「鳥」の漢字です。

鳥 (篆書体 ( てんしょたい)

これを見ると、「鳥」の漢字が鳥の絵から作られたことがわかります。

左上が口、右上は顔や頭、真ん中に(はね)があって、下に足と尾羽(おばね)がありますね。

この「鳥」の字は、いろいろな鳥の名前の漢字に使われています。

ちょっと見てみましょう!

(たと)えば、この鳥…

ハトです。

駅の前や公園など、町の中のにぎやかな所でもよく見かけます。

白いハトは「平和(へいわ)の鳥」とも()ばれています。

ハトの漢字は「鳩」です。

その理由(りゆう)は、ハトの()(ごえ)関係(かんけい)があると言われています。

ハトの()(ごえ)は「クウクウ」です。

「クウ」という(こえ)は、漢字の「九」の読み方「ク」や「キュウ」によく()ています。

だから、ハトの漢字は「九」と「鳥」で「鳩」になったそうです。

九 + 鳥 = 鳩

(つぎ)は、この鳥…

フクロウです。

森や林にすんでいるフクロウは、昼はあまり動かず、夜に行動(こうどう)します。

そして、小さな動物や(むし)、ほかの鳥などを食べて生きています。

フクロウの漢字は「梟」です。

「木の上にいる鳥」という意味、ではありません。

(むかし)の人は、死んだフクロウを木の上に()いておいたそうです。

なぜ、そんなことをしたのでしょうか?

それは、(にわ)(はたけ)などに、野菜(やさい)や米などを食べる、悪い鳥や悪い動物が来ないようにするためです。

だから、フクロウの漢字は「鳥」と「木」で「梟」になったそうです。

鳥 + 木 = 梟

(つぎ)は、この鳥…

カラスです。

カラスも(はと)と同じように、町の中でもよく見かけます。

何でも食べるカラスは、人が出すゴミも食べます。

カラスの漢字は「烏」です。

「鳥」の漢字によく()ていますが、(からす)の漢字は(せん)が一本少ないんです。

鳥の漢字にあって、(からす)の漢字にない(せん)は、目を(あらわ)しています。

ほかの鳥は目の場所がすぐわかりますが、(からす)は目も体も真っ黒で、目がどこにあるかわかりません。

だから、「鳥」から「目」をとって、「烏」になったそうです。

鳥 - 目 = 烏

最後(さいご)は、この鳥…

ペンギンです。

え? ペンギンは南極(なんきょく)にすんでいるから、漢字はないでしょう?

ふつうは「ペンギン」とカタカナで書きますが、漢字もあるんですよ。

では、「ペンギン」の漢字を(かんが)えてみてください。

ヒントは「〇」+「鳥」、漢字二字で(あらわ)します。

え? 「泳鳥」?

いいえ、(ちが)います。

え? 「寒鳥」?

残念(ざんねん)、それも(ちが)います。

え?「歩鳥」?

ははは、おもしろいですね!でも、(ちが)うんです。

(こた)えは…、「人鳥」です。

その理由(りゆう)は…、わかりますよね?

字源(じげん)()()ちには、いろいろな(せつ)があります。

参考:
https://www.kanken.or.jp/kanken/trivia/category01/161002.html
https://www.kanken.or.jp/kanken/trivia/category01/171104.html
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70255?page=37
https://www.kanken.or.jp/kanken/kankantown/nandoku/nandoku3.html

文:瀬戸稔彦

篆書体:白川フォント

イラスト:Loose Drawing/写真:フォトAC

(2022.4.22)

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